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『困難を乗り越えて』

「大丈夫だって♪優しくしてあげるからさ♪」
強引な態度が怖い。こんな学校、辞めてやる。
「さようなら……」
登校する振りをして河原に向かった。もう辞めるし。
翌日、私は担任に事情を話した。

「方針は決まったのか?」と担任が尋ねた。私は返答に窮して早退した。近所のスーパーに逃げ込み、それを繰り返すうちに万引きを疑われた。

事務室に連行され冤罪を訴えても通じず困っていた私を例の男子生徒が救ってくれた。男子生徒たちは私を助けてくれただけでなく、犯人扱いされたことに腹を立ててその人たちを追い払い、警察を呼ぶように言ってくれたおかげで助かった。

男子生徒たちが帰った後、一人の生徒が、「ありがとう……」と言うと、もう一人の生徒が人助けは当然だと言った。舞い上がった私は食事をおごることにした。

「おーい!早くしろよー!」遠くから呼ぶ声が聞こえる中、僕は声の主に向かって叫び返した。「待ってよー!今行くよー!」すると向こうの方から声が聞こえてきた。「全く遅いぞお前!!何やってんだよ!?」と言っている彼に対して僕は言い訳をするように言った。「しょうがないじゃんか~!急に呼び出したのはそっちでしょ!?それなのにこんなに待たせるなんて酷いよ~!」そんな僕の言葉に呆れているのか大きな溜め息が聞こえたかと思うと、彼が言ってきた。「はぁ~まぁいいや、さっさと行くぞ!」そう言って歩き始める彼の背中を見ながら思ったことはただ一つだった。(まぁいいか)そう思った僕は彼の後を追うようにして歩き始めた。

そして歩きながら考えていたことがあったのだが、それは彼女のことであった。「彼女はどうしているのだろうか……?元気にしているのだろうか?」そんなことを考えているうちにふと我に返った時には目の前に彼女がいた。しかも至近距離だったのでビックリしていると彼女が話しかけてきた。

「あのぉ……どうかしましたか?」と言われ慌てて何でもないと答えると、彼女は微笑んだ後に言った。
「それなら良いのですが……」そう言った彼女の表情はとても可愛かったのだが、それとは裏腹に僕には疑問が生まれていたのだが、その答えは彼女が持っていた物を見て理解したのだ。
というのもその中身というのが僕がよく食べているものだったからで、それを見た瞬間思わず口に出してしまった程だ。
「えっ?これって……」それに対して彼女も頷いて答えてくれる。
「はい!そうですけど何か……?」首を傾げながら聞いてきた彼女に僕は正直に話した。
「いや……だってこれ君のお弁当じゃないの?」という僕の言葉に対し、一瞬呆けた表情をしていたが、直ぐに我に返ると否定してくる彼女なのだが、どう見ても僕の為に作ったとしか思えない程の量の食材や料理がそこにはあって僕は心の中で呟いた。
「(どうしてここまでしてくれるんだろう?)」そう思っていた時、不意に聞こえてきた言葉で現実に戻される事となった僕は彼女の顔を見ると、恥ずかしそうに頬を赤らめている姿を見た途端ドキッとしてしまうのだがすぐに冷静になることが出来たので良かったのだが今度は別の意味で落ち着かなくなっていた為どうしようかと考えていたら彼女に話しかけられた。
「あのっ!良かったら食べてくれませんか?お口に合うかどうか分からないですけど……」そう言われて差し出されたお弁当を受け取るとお礼を言いながら早速食べてみる事にした。
一口食べる度に彼女の優しさを感じながら味わっているとあっという間に無くなってしまい名残惜しさを感じているところにまた声が掛かる。
「美味しかったですか?」と聞かれた瞬間、

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