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398 どうなった?

ぴっかーっ
べちょ

べちょ?だれかな~?

『あらあらまあまあ?ちょっと失敗?』
「うぎゅー?」
おばあちゃん?
あれぇ?なんか、息できない?うぐぐ

『うお?くまがくまに張っ付いてる!?』
おいちゃん?
『うわあ!凛さん!サーヤの息が!お腹が顔に!めり込んでる!あれ?逆!?』
クゥ?何言ってるの?
『きゃあ!凛さん首!足で首絞めちゃダメ!』
フゥ?そういえばなんか、クエッてなってる?

『あらあらまあまあ?やっぱりちょっと失敗~?』
おばあちゃん?何を失敗したのかな?
「ふぎゅ」
くるち?

『はっ!とにかく離れろ!サーヤの息が止まる!』
べりっ
「ぷはぁっ」
おお、空気だ。今のなんだったんだろ~?

『おかしいわね~?計画だと、頭に手を着いて、回転して後ろからサーヤの目を塞ぐはたずだったんだけど~?肩車みたいに??』
おばあちゃん、おいちゃんにぶらんって持たれて、不思議そうにしてます。

『『いやいやいやいや』』
『何、無茶苦茶言ってんだ⋯』
呆れるフゥとクゥとおいちゃん。を、ものともせず

『ん~?ジャンプ力鍛えないといけないわね~?それとも、魔法で空を飛べるようになるとか~?』
マイペースにぶつぶつ言っております。

『いや、ジャンプ力あるだろ⋯さっき俺に蹴り⋯』
『あらあらまあまあ?なんのことかしら?』にこにこゴゴゴゴ
『いや、何も』ダラダラダラ
『そう?』にこにこゴゴゴゴ

『『な、なに?』』
「しゃ、しゃあ?」
フゥ、クゥ、今のおばあちゃんに触っちゃダメだよ。

そんなことしてたら

『あのねぇ?そろそろドワーフさん達を見てあげた方がいいんじゃないかしらぁ?』
「うにゅ?」
突然、結葉様が現れて、ひょいっと抱っこされました。

『ほらぁ、さっきから固まったまま動かないのよぉ?』
ドワーフさんたちが見えるように角度を変えてくれると⋯

「ふお~?」
六人のドワーフさん達だけじゃなくて、後ろにいたドワーフさんたちも口と目をパッカンしたまま固まってるんだけど

「だ、だりぇ?」
お名前つけた、親方たち六人のドワーフさんがいたはずの場所には、今のおいちゃんと同い年位の方たちが立ち尽くしてます。

『だれだ?あれ?』
『『さ、さあ?』』
おいちゃんたちも分からないみたいです。

『あらあらまあまあ。親方たち、羨ましいわ~。若返ったのね~』

「ふえ?」
『『はい?』』
『はあ!?』

おばあちゃんが、いつの間にやら親方?たちの足元に。
更に筋肉ムキムキになった親方の足をぺしぺししてたかと思うと、

『あらあらまあまあ!』
ひょいっとおかみさん?に抱きついて、よじ登ると、
『あらあらまあまあ!お肌の張りが!ツヤが!あらあらまあまあ』
おかみさんのお顔をパシパシスリスリ。それから肩に移動すると今度はあろうことか、肩から逆様にぶら下がりながら、
『あらあらまあまあ!またけしからんお胸が!あらあらあまあ』
ぽすぽすぽすぽす!

みんなで唖然として見てしまいました。

はっ!そうじゃなくてっ
「ふわぁ!おばあちゃん!」
何してるの~!?
『う~ん、さすがにすごいわねぇ』
結葉様、感心してちゃダメだよ!

『凛さんっ!』
『『うわぁ~!』』
おいちゃんもフゥたちもようやく立ち直ったみたいです。なので

「おばあちゃん!かいしゅう!!」
びしいっ!結葉様の腕の中から、びしいっ!です。

『お、おう!凛さん』
『わ~ぬいぐるみの足のはずなのに!?』
『なんで離れないの?』
おいちゃんたち三人が、あわてておばあちゃんに駆け寄って、引き剥がしにかかるけど

『あらあらまあまあ、ずるいわずるいわ~』
ぽすぽすぽすぽす!
『凛さんっ』
『『離してください~っ』』
離れません。なぜ?

「おばあちゃん、はにゃれにゃい⋯」
『すごいわねぇ』
結葉様と見守ってると、ジーニ様もやってきました。

〖なんか、執念を感じるわねぇ〗
〖お母様もされてましたものね〗
〖まあ、とにかく今はドワーフ達に正気に戻ってもらいましょう〗
パンパンっ!
エル様が手を叩くと

『ハッ!何が起こったんだ!?』
『なんかすごい光って』
『信じらんないもの見た気が?』
親方たちが目を覚まして騒ぎ始めました。

『うわ?な、なんだい?』
『『何してんだい!?』』
おかみさんが更にお胸を叩いているおばあちゃんに気づいてビックリ!

『あらあらまあまあ!』
ぽふぽふぽふぽふっ

『凛さん!離れろ!』
『『やめてください~』』
あああ、おばあちゃんが、すみません!

べりっ

おいちゃんがやっと引き離しました!
良かった⋯

『な、何が起こったんだ?』
『な、なんでみんなして若返ってるんだい!?』
『何言ってんだ!自分もだろ!?』
『な、なんか力まで強くなってる気しないかい!?』
『そ、そういえば?なんか湧き上がってくるような?』
『一番最盛期の時より、力があるんじゃないかい?』
ドワーフさんたちがパニックになってます!
まあ、そうだよね~

『分かりますわぁ。驚きますわよねぇ』
『名付けられたのはご主人にゃのに、ニャーニャですら変化があったもんにゃ~』
アイナ様とニャーニャにゃんが、うんうんって頷いてます。なんか、目元がキラリとしたような⋯

『俺も、そういや若返ったんだった⋯』
今更ですね?おいちゃん。

『ま、待て待て待て待て、これがサーヤに名前をつけてもらったからなのか?』
『こりゃ、とんでもないね』
『あっ、俺たちが変わったなら』
『あ?他の連中は?』
『『あっ』』
ぐるっ

あわてて後ろを振り向く親方改め、金剛親方たち。またまたあんぐり。

『なんでお前たちも?』
『私たち程じゃないけど』
『ジジババが、おっさんおばちゃんくらいには若返ってるな』
『なんでだい?』
『『さ、さあ?』』
さっきから、大工さん夫婦の琥珀おっちゃんと瑠璃ちゃん夫婦だけカタコトだね~

〖ドワーフの長が名付けられた訳だからね。その下に連なるドワーフたちも、サーヤの眷属のようなものになった⋯ってことかしらね〗
〖そうですね。まだ、ほかの者達に名はないのですから、親方がつけたら良いのでは?〗
〖そうですね。もしくは親方たちが考えて、最終的にサーヤが命名するとか⋯〗
神様三人が今までの経験から予想をたててます。サーヤが名前つけるだけでそんなに違うのかな?親方が考えたらそのままつけたらいいんじゃ?

『ん~。そうねぇ。サーヤは神達に次ぐような存在だからぁ、一種族の長が付けるより、効果はあるかもねぇ』
結葉様が教えてくれました。結葉様も、色々考えてくれたみたいです。
「ほえ~」
なんか、すごいことになっちゃったな~

『ま、まさか俺たちまで』
『なんてこったい』
ドワーフさんたちがザワザワし始めました。まあ、そうだよね~?親方たちも一足先に落ち着きを取り戻したみたいで、なんかボソボソ話してます。

『全く、これ以上驚くことは無いと思ってた自分を殴り飛ばしたい気分だな』
『ほんとにね。まさかこんなに若返るとはね』
『ついてきてくれた連中まで変わるとはな』
『ほんとにね』
『親方、間違いなく、名付けさせられるな』
『まあ、頑張りな』
ぽんぽん
肩ぽんぽんされてるね~
『ううっ胃が⋯頭が⋯』
がんばれ~

『あとはぁ、天界のおばあちゃんがどうなってるかよね~?』

ぴたっ
しーん⋯

〖む、結葉、なんてことを⋯〗
〖せっかく、忘れてくれてたみたいなのに⋯〗
〖魔神、私、天界に戻っても⋯〗
〖お母様、私もっ〗
〖な、何言ってんのよ!?それに天界に逃げたってあっちでもっ〗
〖〖あ⋯〗〗
慌てる神様三人⋯と、い・う・こ・と・は?

ゆら~り⋯

「ふあっ」
『に、逃げるぞ』
『あらあら?聞いちゃいけないこと聞いた感じぃ?』うふっ
うふっじゃないよ!結葉様!
『『うわわわわ』』
『お母様⋯確信犯ですわね』
『そうにゃね』
『な、なんだなんだ』
『わ、わかんないけど離れた方がいい気がするよ』
カサカサカサカサ
みんなで神様たちから離れます。

〖あっみんなっひどいっ〗
〖置いていかないでください〗
〖⋯覚えていてくださいね〗
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!

ゆら~り⋯
『ふふふっ⋯何をそんなに焦っているのかしら?』
お、おばあちゃんがっ

〖い、いえ、あのね?〗
〖だ、大丈夫です。しっかり若返ってるようですよ〗
〖そ、そうですよ。天界で今、力を試してるようですし⋯〗
ずりずりずりずり

ゆら~り
『うふふ⋯それは、やっぱり、うらやまけしからんバディにはなれなかった⋯と、いうことよね?ねえ?』
じりじりじりじり

〖〖〖え、ええと⋯〗〗〗
ずりずりずりずり

ゆら~り
『ねえ?』
じりじりじりじり

〖〖〖も、申し訳ございません!〗〗〗
だーっ
あっ逃げた!

『問答無用!』
シャーッ

〖〖〖ぎゃーっ〗〗〗

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!


その頃、天界でも

〖ギャーっ凛さんっ許して~っ〗
ワーっ

『問答無用!』
ぶんぶんっ

〖わーっ槍を振り回すんじゃねぇ!バートっ何とかしろよ!〗
ガシャーンっ
『武神様にどうにもできないものが私にどうにか出来るわけないでしょう!』
ぶうんっ
〖『ヒッ』〗
ガシャーンっ

『神なら何とかしなさいっ!』
〖うわ~んっ無理なんです!ごめんなさい!〗
ぶんっぶんっ

〖バカ!主神!こっち来るな!〗
『来ないでください!駄神がっ』
〖ひどいっ!〗

『待ちなさい!』
ぶんぶんぶんっ

〖〖『ギャーっ!』〗〗

あああ⋯

しおり