390 さあ、どうしよう?
ドワーフさん達、六人分の観察が終わりました。
「ふい~い」くいっ
『サーヤ、確かに疲れたかもしれないけど』
『かいてない汗は拭けないわよ?』
気分ですよ。気分。頑張りました。ふい~い⋯
ん?六人分?
「おやかちゃ?」
『ん?なんだ?』ぐったり
お疲れですね。そんなにぐったりして、皆さんどうしましたか?
『『『ひどいね⋯』』』
『『『ひでぇな⋯』』』
何がですか?そんなことより
『『『『『『そんなことより⋯』』』』』』
がくうっ⋯しくしく
なんで泣いてるの?
『にゃはは。ご苦労様なのにゃ』
『まあ、誰しも通る儀式の様なものだと思ってくださいませ』くすくす
『ふっ。逃れられんからな』
『そうですね。逃げられませんね』
『『『⋯⋯』』』
『『『⋯確信犯だったね』』』
ん~?みんな変ですね。アルコン様とギン様まで何言ってんのかな?
それより、サーヤ、怖いこと思っちゃいました。
「ほかにみょ、どわーふしゃん、くりゅ?」
そんなこと言ってなかったっけ?
『ん?ああ。今頃荷物まとめてんじゃねぇか?』
『そうだね。多分道具をかき集めてそうだね』
『来るのは俺らの世代だな』
『じじばば中心だね』
『若いヤツらに引き継いできたからな』
『そうだね。ああ、迎え行った方がいいかい?』
それは分からないけど、
「にゃ、にゃまえは?」
ま、まさか?全員分?
『『『あっ』』』
『『『そう言えば?』』』
親方達も考えてなかったみたいです。
ど、どうするのかな?困ったときは
バッとみんなの目線がジーニ様に⋯
〖ん~とりあえず、名前はサーヤが付けなくていいんじゃない?〗
〖そうですね。付けるなら親方たちが付ければいいかと〗
〖ああ、でも、サーヤが親方たちに名前をつけたら変化が起きますよね。これから来る方たちも、この場にいた方がいいでしょうか?〗
神様たちが話し合いをはじめました。
変化した親方たちを、何も知らないドワーフさんたちが見たら、大騒ぎになるから、だったらその時一緒にいれば、まあ、騒ぐだろうけど、話しは早いんじゃないか?とか、そんな感じです。
『お迎えに行くのでしたら、親方たちが行かれた方がよろしいでしょうか?』
『正式メンバー知ってるのは親方たちだしにゃ』
アイナ様とニャーニャにゃんが言うと
『あ~そうだなぁ。アイナ様じゃ、あいつら急かせないだろうしな』
『うちらと違って言い方が優しいからね』
優しいというか、職人さんな話し方の親方たちと、アイナ様を比べちゃいけないような?
『いや、ちょっと違うんだよな』
『そうだね。アイナ様の育ち方というかね⋯』
ん?どういうことかな?
どういうことか聞く前に
〖それなら、呼んできちゃう?今の内に〗
『そうねぇ?その間におばあちゃんと、うさちゃんのお名前、考えたらいいんじゃなぁい?』
〖そうですね。それにドワーフさんたちの名前を、その間に決めておいてもいいですしね〗
〖師匠の出番ですね〗
『結局、巻き込まれるのは決定なんだな』
『あらあらまあまあ』
ジーニ様と結葉様が、すっごい軽く提案し始めると、シア様達までそれに乗っかりました。
『うん。主役のはずのサーヤは見事にスルーされて』
『話が進んでるなぁ』
フゥとクゥが哀れみの目でサーヤの頭をなでなで⋯
「ちかたにゃい⋯」
サーヤはまだちびっこだから⋯ぐすん。
『それじゃ、ちょっくら行ってくるか』
『ついでに例の土、粘土だっけ?あれも取ってこようかね』
『おう!そうだな。それもあったな』
『楽しみだね~土の産地で違いが出るんだろ?』
『アイナ様が言ってたもんな』
『でも、あまり時間はかけられないよ』
ガックリしてたドワーフさんたちが盛り上がり始めました。それを見て
『あ、あら。覚えてらしたのですのね』
『ゲンさん、がんばってにゃ』
『『お(にょ)ほほほほ』』
アイナ様たちが、何か笑って誤魔化してます。
『うっ⋯プレゼンやり過ぎたか⋯』
おいちゃん、心当たり、ありありなんだね⋯
『おしっ!じゃあ、行ってくるからよ!』
『名前頼んだよ』
親方たちが勢いよく立ち上がって、きゅいーんっと、またトンネルが!
『『行ってくるぜ!』』
『『よろしくね!!』』
きゅいーんって、行っちゃいます!はやっ
「いってらっちゃ⋯い」
行っちゃった
『じゃ、じゃあ、先に親方たちの名前決めとくか』
『そ、そうね。色々忘れない内にね』
「あ、あい」
そうだね。それでは、助っ人をお呼びしましょう。
「おいちゃ~ん」
『『ゲンさ~ん』』
よろしくね。
『はぁ、巻き込まれるんだな。結局』
『あらあらまあまあ』
よろしくね?
「どわーふしゃんだかりゃ、いしちゃんにょ、おにゃまえ、いいかにゃ?」
『そうだな。いいんじゃないか?』
『たとえばどんな石があるの?』
「しょれは、おいちゃん」
おねがいします。
『丸投げかよ?』
『あらあらまあまあ』
そんなことないですよ?サーヤたちはちゃんと観察しました!えっへん!
「おやかちゃ、きりゃきりゃ」
『そうね。つぶらな瞳が可愛かったわね。キラキラだったしな』
『一番キラキラしてたよな』
「あい。しょうでちた。あちょ、いちばん、きんにく、ぼん?」
フゥとクゥと一緒に思い出します。
『ああ。たしかにすごい太い腕と足だったわよね』
『俺の何倍あるんだろ?』ペシペシ
クゥはやっぱりそれが気になるんだね。自分の腕ペシペシしてるけど、力こぶ、全然無いかも?
『一番キラキラな石?』
『あらあらまあまあ、筋肉も一番?』
おいちゃんとおばあちゃんが考え込んでます。
『じゃあ、サーヤ、一番キラキラな石で思い出すのは?』
おいちゃんが質問してきました。キラキラした石?
「だいやもんじょ?」
『そうだな。ダイヤは強い石でもあるしな』
『ダイヤモンドの和名は金剛石よね?』
こんごう?こんごうって、たしか
「しょれ、こうゆ~?」
仁王立ちして片手を上に、片手を前にして、ポーズします。
お寺の入口にいなかった?こんなの?怖いお顔の。
『『ぶっ』』
おいちゃんと、おばあちゃんが吹き出しました。ひどい~
『なあに?それ?』
『なんのポーズだ?』
フゥとクゥは不思議そうにしてます。
「えちょ、ちゅよしょうな、ぶちゅぞうしゃん?」
かっこいいのよ?
『『ぶふっ』』
なんですか?おいちゃん、おばあちゃん。
『なあに?ぶつぞう?』
『強そうには見えないけどなぁ』
え~つよそうでしょ?いよぉぉおっ!
『くくっ、そりゃ、金剛力士像の真似だよな?』
『あらあらまあまあ。ずいぶん可愛いわねぇ。くまさん仕様の仁王様ね』くすくす
くすくす笑いながら言われちゃいました。でも、
「たびゅん、しょれ」
こんごうなんとか。かわいいじゃないよ。かっこいいだよ。
『仁王様、金剛力士像は、確かに、お寺の入口で怖い顔して守ってくれてるな』
『お二人でね。たしか、金剛⋯ダイヤモンドさえ打ち砕く強い武器、金剛杵をお持ちの神様なのよね』
くすくす笑いながら説明してくれます。もう~いつまで笑うの~?真剣なのに~
『サーヤ、その格好はもういいんじゃないか?』
「ふにゅ?」
そうでした。クゥのお膝に戻ります。よいしょ
『でも、そんなに強いなら親方にピッタリじゃない?』
フゥが言います。でも、
「こんごう?だいや?」
どっち?
『金剛だと名前っぽくないか?』
『でも、カタカナでダイヤよりしっくりくるような?』
『「たし(ち)かに」』
厳つい感じ?
『じゃあ、親方は決まり?』
『金剛力士像?サーヤ、さっきのモノマネ付きで、後でよろしくな?』
ものまね?
「あい」
いいよ~。いよぉぉぉ!
『『ぶふっ』』
なんですか?似てたでしょ?
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