行ってらっしゃい
uterus prison<<子宮監獄>>そう呼ばれるここは.その年に産まれた人の子を収容し平等に育成し社会へ送り出す。
収容人数75万人
腕につけられている情報機器が『残り300日』を表示している。
No.199
性別 男
身長 170cm
体重 67kg
血液型 不明
持病 無し
食事を終え食堂を出て自室への帰路へついた。
総統室、保護官室を過ぎた辺り、1人の女に呼び止められた。
「君、まちたまえ」
綺麗な黒髪の中に一箇所赤髪を混じらせた
凛としているがどこか冷たい顔の女に。
「あなたがいいは、一目惚れよ」
No.199こと僕はそんな言葉でまんまと捕まった。
いや、顔が良かった、
いや、乳も良かったが。
「え?」
と、うでを掴まれ来た道を戻される。
拒否権は無かった、美人だからいいけど。
総統室前で止まると、扉を
BURRN!!!!
と、開けるとそこには数人の少年、少女に保護官が1人。
それと、普段見かけない青いショートの女性。
空席の椅子、大きなモニター。
「待たせた!さ、話を始めてくれ」
すると、モニターが起動した。
画面は白いだけだが、声が発せられている。
「やあ、君たち。まずは、18歳まで生きてきてくれてありがとう。」
声からして40代くらいの男声がした。
「そしてuterus prison上位10名に該当出方してくれたこと、誠に嬉しく思う」
ここでモニターの男声は、
ひい、ふう、・・・
と、人数を数えたところで、
「今ここには11人いるようだが?」
その問いに対し
はい!っと手をあげ、No.10と指された少年は俺が上位10名に該当しない事を指摘した。
すると男声は僕に対し、
「君はどうしてここにいるのかね?」
その問いかけの答えを考える間もなく、
黒髪の女が声を発した。
「この子は、私が連れて行くと決めたの!」
「ほぉ〜」
少し間を作り
「いや、認められん連れて行けるのは10名だけだ」
その返答に黒髪の女はキィっと顔をしかめ、
「人数の問題なのね」
「・・・」
「それなら、」
と、言葉を漏らすと同時に
「やめさせろ!!!」
刹那!黒髪の女の首に背後から刃を構える青髪ショートの女性
しかし、黒髪の女の前方には首を堺にバッサリと別れているNo.10の死体が赤く黒い血液がとろとろ広がっている。
「モブには、発言権すら当たらられない!」
「これでどう?」
と、黒髪の女は血を纏いモニターへ問いたい
「いいだろ、だが『No.1』あまりしゃしゃるなよ」
黒髪の女はにぃっと頬を釣り上げ笑う。
「さて、話を戻そう」
男声は再び話し始めた。
「今から君たちには、外出権が与えられる
外出は一回までだが、戻ってくることもできる
18年間の閉鎖的空間が終わるのだ言わば
『卒業』
とも、捉えられる一足先のな
期間は今日から300日
だが、君たちにはその世界に常駐する権利も与えられる
まあ、それを使うかは自由だがな
外に出れば一人ナビゲーターがついてくれる。
君たちならより良い世界のためになってくれると信じているよ」
そこで、青髪ショートの女性は壁に手を当て、
「こちらです」
と、手を当てた壁が白く発光している。
「着地地点はランダムですのでご注意を」
「さあ、No.順にどうぞ」
そこで黒髪の女が前へ進み扉の前で立ち止まり、僕を見つめた。
「君は連れていくって決めたんだ
だって私は『No.1』なんだから!
まあ、少々てあらでしたけれど、あまり引かないでくださいね」
と言うと光の向こうへ消えていった。
なんかすごいやつに目をつけられたな僕。
そうして次々と上位勢が光をくぐっていき最後の2人になった。
「あなたすごいのね、あんなのに好かれるなんて」
天色の髪の少女
「ん〜、確かに好かれるのも無理無いかな〜」
「うん、」
「君、あまり喋らないね」
「まあ、上位人の圧は強いからね〜」
「うんうん、気に入ったよ〜」
「じゃ行こうかなっ」
「わぁっ!!」
久々声が出た。
気がつくと少女はほぼ扉の向こうへと進んでおり残っているのは、俺と俺を引っ張る少女の手首であった。
俺は、光へと引っ張られている。
すると、男声が
「君はイレギュラーだ仕方ないこととはいえ、免れようのない事実」
「上位勢ではない君には理解できんと思う、そこで助け舟をやろう」
「鬼神の寺へ向かえ、君は救われる」
その声と共に僕は、光扉をくぐった。
意識が一瞬途絶え暗闇になる。
誰かの呼びかける声と共に光を取り戻す。
「起きてよ〜、もう足限界っ!」
「もうっ!起きないあなたが悪いんだからねっ!」
「えいっ!」
「いたっ」
両頬をつねられ目を覚ました。
青い空、天髪の少女、いい匂い、むっちむちな太もも
「膝枕!サイッコーかよ!」
ぼんっ!
僕の頭が芝生へ投下された。
頭上には女性の歪んだ顔
「あなたを気に入ったっ!と言ったが、とんだ変態さんだったようだっ!」
「いや、これは、その、」
咄嗟だった、なんか情けない。
「まあいいよっ、気を取り直して〜」
天髪の少女は胸に手を当て
「私はNo.9、よろしく〜」
「まあ〜私は上位って言っても下から2番目だし〜、気楽にねっ」
「僕は、No.199よろしく」
「う〜ん、まだ私レベルにも話せないみたいだね〜、流石に弱すぎ〜」
「早速本題っ!あなたはNo.1に連れ込まれ『これ』に参加させられてる形になった、
なってしまった〜」
「要は被害者だっ!かわいそうだね〜」
「私も弱いっ!あなたも弱いっ!」
「そこでだっ!協力しようじゃないか」
「この世界から出るんだよっ!」
「私なら『そと』の世界でも生存させれる」
「ちなみに〜」
「あなたに拒否権も発言権もないからね〜」
「まあ、発言権は今だけだけどっ」
「これは外出権とは聞こえのいい選抜権だからね〜」
「後の社会の糧にされるっ!」
「上位10名から上位5名まで縛られるっ!」
「この異世界は、ただ用意された戦場なんだっ!」
僕の首元に、ナイフが突きつけられる。
「あなただって殺されるのは嫌でしょ〜」
僕は、従順に頷く。
YES
「そうよねっ」
と、僕の腕に輪をはめた。
「それは、お守りみたいなものっ、大した効果も得られないけど話せるくらいにはなるはずっ」
すっと、息を吸い発する
「こ、この状況は?急なことで整理が追いつかないんだ」
「話せるようになってよかったわね〜」
No.9は、ニヤリと笑う。
「これは最強を決めるための戦い、最強と
言ってもここで大切なのは『生存』てことっ」
「戦わなくても生き残ればいいっ」
「でも、ダメよ、No.1がいる限り、あいつは全員殺すでしょうねっ」
「だからあなたは人質でもあるのよ〜」
「結論はねっ!あなたは私と協力してこの世界から出て幸せになるっ!」
「わかったわかった、僕も弱いことは自覚してる、だけど一つだけ約束してくれ僕らから奴らを殺しに行くことは絶対にしない」
「うんっ!OK!」
「これでパーティー結成だねっ!」
「おう!」
こうして僕たちの異世界生存記が始まった。