380 それじゃあ、今夜は?
あ~あ。どうすんだよ。まったく。
主神様とジーニ様に当てられて、ぶっ倒れた山桜桃と春陽、フゥとクゥも倒れないまでも固まってるから、似たようなもんだよなぁ。
『ジーニ様ったら、自分の見た目考えて行動しないとダメよぉ。黙ってれば、サーヤの言う、迫力美人のお色気むんむん、ボンッキュッボンのナイスバディの女の敵なんだからぁ。お子様には刺激強すぎよぉ』
きゅるる『結葉様だって、女の敵』
『私はいいのよぉ。見せつける相手がいるわけじゃないしぃ』
〖お母様もお父様も少しは周りに気を使って下さい。周りが困ります〗
〖ええ?いいじゃないよぉ〗
ナイスバディな女の敵たちが集まって何か言っても⋯
『ずるいわ。女の敵があんなにいっぱい⋯』
ずるい~ずるい~ずるい~
呪文のように繰り返す、現在くまの編みぐるみのおばあちゃん⋯
『キヨさん⋯』
怖いぞ
『いっそ、この体に胸を編み足したら⋯』
胸の当たりを触りながらブツブツ言うおばあちゃん⋯
『やめてくれ。サーヤが泣くぞ』
本気でやりそうだから、やめてくれ
『あれが、サーヤのおばあちゃんかい』
『女はいくつになっても女!の名言のおばあちゃんかい』
『なるほど、サーヤのおばあちゃんだねぇ』
『『『納得だねぇ』』』
ドワーフのおかみさんたち、大いに納得!
『どうするよ。ひとまず部屋に運んで寝かすか?』
『サーヤの部屋でいいのか?』
『でも、四人も寝れねぇだろ?』
親方たちが山桜桃たちを心配している。いや、みんなも心配しようよ。
〖あっ、そうだったわね〗
〖いっそサーヤたちの部屋も空間拡張してベッド入れちゃったらどうですか?〗
〖そうですね。何かあったら対処しやすいですしね〗
〖分かったわ。じゃあ、部屋は拡張して、ベッドは、ひとまずフゥたちが今使ってる物を移動して、明日、ドワーフたちに新しいベッドを作ってもらいましょう〗
神様三人がサーヤは毎朝何かやらかすからと話している。
サーヤが聞いたら、「さーや、は!ちてにゃいもん!ぶー」と言うでしょう。
『あらあらまあまあ、サーヤったら仕方ないわねぇ。皆さんにそんな風に心配されるなんてぇ』
おばあちゃん、あなたはそれを言ってはいけない。
みんなの心はひとつになった。
『ま、まあ、とにかく四人を運ぼう』
〖任せて〗パチンっ
ゲンの言葉にジーニ様が四人を浮かせた。
『あら。いいわねぇ。私も飛んでみたいわ』
〖あはは〗
おばあちゃん、飛んでるわけでは⋯
『はいはい。おばあちゃんは、私の抱っこで我慢してねぇ』
結葉様が素早く抱っこすると、おばあちゃんは羨ましすぎる目の前の山を『ずるい~』と言いながら、肉球?で、ぽふぽふ叩いている。
『あらまぁ』
結葉様、そろそろ怒ってもいいのでは?
サーヤの部屋に四人を寝かせ、部屋を出ると
『そういや、飯、大丈夫だったか?ほとんど俺がやってたのが裏目に出たよな。出来上がったもんも俺が持ってたしな』
悪いことしたな、と、頭ポリポリするゲンに
〖ふふ。それがね?サーヤと山桜桃と春陽が大活躍でね。ドワーフのおかみさんたちも手伝ってくれたし、大丈夫だったわよ〗
『そうか。それな⋯ら?』
〖それにね?〗
ん?遮られた?嫌な予感が?それに、この後を聞かない方がいい気が⋯ガシッ
『あ⋯』
〖師匠、逃げるのは感心しませんね〗にっこり
しまった⋯逃げ損ねた
〖サーヤがね、アルミホイルって言うのを作り出してね?〗ニイッ
ジーニ様がそれはもう、にぃ~っと、悪い笑顔で爆弾を落としてきた
『はあ?』
『あらあらまあまあ』
何やってるんだ?サーヤは?アルミホイルだって?いったいなんでそんなことに?
〖だからね、お夕飯はホイル焼きとバーベキューだったのよ〗くすくす
〖とっても美味しかったですよ〗
〖ええ。あんなに野菜を甘いと感じたのは初めてでしたね〗
ジーニ様たち、なんかうっとりしてる?
『あらあらまあまあ、ホイル焼きでとろとろになった玉ねぎ、大好きだものねぇ~サーヤは』
『そうだったな。アルミホイルに張り付いたのまで一生懸命剥がして食べてたもんな』
サーヤが玉ねぎ入れすぎてキヨさんに『それじゃ閉まらないでしょ』って言われてたのを思い出す。
〖その通り。美味しさを力説してたわよ。でもね?サーヤったら、私に美味しく野菜を食べて、好きになって欲しかったのですって!あ~ん♪なんていい子なの~♪〗
『あらあらまあまあ、サーヤったら』
はあ~、サーヤ俺がいないあいだ、やっぱりやらかしてたか⋯
『昼めしは?』
〖パンケーキと野菜?そう言えば、ゲンにはあとでいろいろ作ってもらわないとね。うふふ〗
ジーニ様の顔が更に悪いお顔に
『な、なんだ?』
〖うふふ⋯〗
サーヤ、何をした!?
『あらあらまあまあ、サーヤったら。仕方ないわねぇ。うふふ。それで明日の朝はどうするのかしら?』
仕方ないと言いながらも、楽しそうに笑いながらキヨさんが聞くと
『パンの仕込みはしてあるよ』
『明日の朝、焼くようにしてあるよ』
『焼きたてが食べられるね』
どうやらドワーフのおかみさんたちが、山桜桃たちと仕込んでくれたみたいだな。
『そうか。ありがとな』
ひとまずホッとする
『いいんだよ。私らも楽しかったしね。まあ、明日の朝ぐらいはどうにかするさね』
『そうだね。あんた達はさっさっとやりかけたヤツをどうにかしてきな』
『ほらほら、行きな!』ゲシゲシ
『いててっ』
おい。人のケツを蹴るなよ。
『分かった。じゃあ、行くか』
『おう。じゃあ、明日にはこっち戻ってくるからよ』
『よろしく頼むな』
そう言って、親方がキュイーンっと、作ったドワーフロードで帰って行った。
〖さて、私達も寝ましょうか〗
〖そうですね〗
〖今日は色々ありましたからね。明日に備えてはやく休みましょう〗
『おばあちゃんは、どうするのぉ?サーヤと寝るぅ?』
懲りずに結葉様のお胸を、ぽふぽふぺしぺししてたおばあちゃん。
『ずる⋯あらあらまあまあ?おほほほ。もちろん、サーヤと寝るわよ?明日、どうやって起こそうかしら?どんな反応するか楽しみねぇ』
しーん
『あら?皆さん?』
どうしたのかしら?
顔を見合わせたジーニ様たちは、にっこりと
〖やっぱり、私たちと寝ましょう!〗
『あらぁ。サーヤが言ってたパジャマパーティー?』
きゅるる『がーるずとおく、とか、言ってた?』
〖女子会と言うものとは違うのですか?〗
いきなり、くるっと踵を返し、サーヤのおばあちゃんは、神様方によって拉致される。
『え?え?あらあらまあまあ?サーヤ~』
『大丈夫ですわ。サーヤちゃんは逃げませんわ。ですから、サーヤちゃんのお話を聞かせてくださいませ』
『そうにゃ!ニャーニャたちもサーヤちゃんのお話してあげるにゃ!』
『あらあらまあまあ?どうしようかしら?サーヤ~』
《念話での裏会話》
〖サーヤとおばあちゃんの感動の再会シーン、見逃す訳には行かないわ〗
『そうよねぇ。ぜったい見なきゃぁ』
『見損ねては一生後悔しますわ』
『それはダメにゃ!とてつもなく長い後悔になるにゃ!』
『ニャーニャ?』
『なんにゃ?』
きゅるる『感動になるか、お笑いになるか。ふふふ』
〖あら、その可能性もありますね〗
〖うふふふふ〗
『楽しみねぇ』
『楽しみですわ!』
『ニャーニャは絶対普通にはならないと思うにゃ!』
きゅるる『うふふ。サーヤだから』
〖みなさん、悪い人みたいですね〗
〖あら、それは〗
『お互い様よねぇ』
きゅるる『その通り』
『そうですわね』
『みんな共犯にゃ!』
うふふふふ
〖やれやれ、女は怖いですね。ふふふふ〗にやり
医神様も怖いです。
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お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m
さて、どうなるでしょう?