237 ジーニ様の企み、再び
ぽぽちゃん、押し倒しちゃって怒られ中のサーヤたちです。
〖まったくもう。ぽぽはサーヤと同じくらいの大きさなのよ。みんなで寄ってたかって抱きついたら倒れちゃうでしょう。ケガしちゃったらどうするの?〗
「あい。ごめしゃい」ぐすっ
ジーニ様の言う通りです。みんなも『ごめんなさい』です。
『やりすぎはいかんと言ったじゃろ?ぽぽの優しさに甘えすぎたらいかんの』
『ほどほどにせんとのぉ。ぽぽも許すだけじゃなく、危ないことは止められるようになろうかのぉ』
「あい。ぽぽちゃん、ごめしゃい」
みんなで『ごめんなさい』です。
『いいだよ。でも、次は気をつけて欲しいんだな。一緒に転んだらサーヤちゃん達もケガするかもしれんだよ?』ほわん
「ぽぽちゃん…」うりゅうりゅ
ぽぽちゃんはこんな時でもサーヤたちの心配をしてくれてます。いい人すぎです。
『ぽぽちゃん、ごめんね~』
ぴゅいきゅい『『ごめんね』』
『『気をつけるね』』
『『『ありがとう』』』
みゃ~ん『ありがとにゃ』
やっぱりぽぽちゃん
「すち」むぎゅ~もふもふ~
『好き~』すりすり
ぴゅいきゅい『『すき~』』むぎゅ
『『好き』』すりすり
『『『すき』』』ちょこん
みゃ~ん『すきにゃ』ゴロゴロ
みんなもぽぽちゃん大好きです。
『え、ええ?』
だから、みんなで今度は押し倒さないように抱きつきます。
〖あらぁぽぽが完全装備になったわねぇ〗くすくす
前にサーヤ、後ろにハク、両足に双子、両腕にフルーとフライ、頭の上には妖精トリオ、肩にはココロ。正にフル装備!
『一歩も動けないだろうけどなぁ』くくっ
『大人気ねぇ』うふふ
ふわぁ~もふもふ~
おいちゃんと結葉様が何か言ってるけど知りません。
『え、えと?助けて?』
思わず助けを求めるぽぽちゃん。でも…
〖かわいいから助けられないわ♪〗
『そ、そんな…』
もふもふもふもふ~
『ほら、サーヤたち。ぽぽが困っとるぞ』
『友達が困ることもしてはいけんのぉ』
じぃじたちに言われちゃいました。ジーニ様は大丈夫そうだったのにな。
「うにゅ~。あい」
『は~い』
みんなでぽぽちゃんから離れます。ココロを除いて。
みゃ~ん『ココロはここがいいにゃ♪』ゴロゴロ
窪みがちょうどいいみたいです。羨ましいです。
『まあ、さすがにみんなをくっつけては歩けないだども、ココロちゃんくらいなら大丈夫なんだな』
羨ましいです。もふもふ。
〖可愛かったけど、仕方ないわね〗くすくす
ジーニ様楽しそうにクスクス笑ってます。ぽぽちゃんすっかりいじられキャラだね。
〖さあ、じゃあ、目隠しを外すわよ。ぽぽの家族に会いに行きましょう♪〗ニヤリ
うわぁ、ジーニ様やっぱり楽しそう…
『お、お手柔らかに頼むんだな…』ごくっ
ぽぽちゃんも何か感じみたいで喉がごくってなってたよ。
〖大丈夫よ〗パチンっ
ジーニ様が指を鳴らすと何かが弾けた気がしました。これが目隠しかな?
みんなで畑に向かいます。ハクがまたサーヤたちを乗っけてくれました。えへへ。ハクも、もふもふ~♪かっぽかっぽ。
畑に近づくと、
『あっ!にいちゃ~ん!』
『ホントだ!にいちゃん、にいちゃ~ん!』
『『うわ~んっ』』
小さいもぐらさんが泣きながら走って来ました。どーんってぽぽちゃんに体当たりです。さすがお兄ちゃん受け止めました。
『お前たち。帰ってきただか?』
ぽぽちゃんが抱きしめながら聞くと、小さいもぐらさんたち一生懸命二人でお話してきました。
『お、おいらたち、起きたら、にいちゃんいなくて、びっくりしただ』ひっく
『あたちたち、なんでにいちゃんいないのって、かあちゃんたちに、きいただ』ひっくひっく
『そうだったんだな』なでなで
ちびちゃん達はどうやら寝てる間に連れてかれたらしいです。
『し、したら、お、おいてきたって』ひっく
『みんなといるために、しかたないって。ひどいだよ』ひっく
『だ、だから、おらたち、とうちゃんたちにいっただ』
『みんなとにいちゃん、どっちがだいじなんだって』
『おら、にいちゃんを、いじめるみんなより、やさしいにいちゃんがいいだよ!』
『あたちだってにいちゃんがいいだよ』
『『にいちゃんといるだよ~っ!うわぁんっ』』
ちびちゃんたち、大きな声で泣き出しちゃいました。
『お前たち、ありがとうな』うる
ぽぽちゃんもうるうるです。
小さいもぐらさんたち、一生懸命がんばったんだね。二人ともいい子…うりゅうりゅ。
そこにゆっくり大人のもぐらさんが近づいてきました。
『父ちゃん、母ちゃん』
やっぱり!ぽぽちゃんのお父さんたち!
『すまなかっただ』
『わたすたちがバカだっただ』
『周りの目ばかり気にして、子供のお前を犠牲にするなんて』
『なんて酷いことを、親なんだから、守ってやらないといけんかったに』
『この子達に言われて目が覚めただよ』
『『ほんに、すまんかっただ』』
ぽぽちゃんのお父さんとお母さんも、涙を堪えながら謝ってます。
『チビたちもいるだ。仕方なかっただよ。戻って来てくれて嬉しいだよ』
ぽぽちゃん、優しすぎだよ…
『こんないい子に』ううっ
『私たちはなんてことを…』うううっ
ぽぽちゃんのお父さんとお母さん、とうとう泣き出しちゃいました。
『おばちゃんとおじちゃんだけじゃないだよ』
『そうだぁ、あいつらが怖くておいらたちも同じことしてただ』
『恥ずかしいし、申し訳ないだ』
他のもぐらさんも来ました。みんなとっても申し訳なさそうにしてます。
『悪かっただ。おら達もチビたちの言葉で目が覚めただよ』
『悪いことはイヤイヤやっていても、実際やってたら同じなんだな』
『だったら、言いなりにならずに自分が正しいと思うことをしようって戻ってきたんだ。まず謝ろうって』
『すまんかっただ』
『悪かっただ』
『申し訳ないだ』
みんなごめんなさいしてます。ぽぽちゃん許しちゃうんだろうなぁ。でも、いじめはどんな理由があっても、ダメなんだよ!
代わりにサーヤたちがおしおきしたらダメかな?こちょこょとか、どうかな?ジーニ様に聞いてみようと思ったら…
〖〖うふふ。サーヤたちが思ってること当ててあげましょうか?おしおきしたいと思ってるんでしょう?〗〗
ジーニ様が、頭の中にお話してきました。みんなにもしてるみたいで、みんなびっくりしてます。
〖〖ほらほら。みんなせっかく念話でお話してるんだから顔に出さないの♪まだ練習してない子は私が助けるから頭の中でお話してみてね〗〗
はっ。お顔キリッ!
《あい!》
《分かったよ~》
あっハクだぁ
《ハク~きこえましゅか~》
《サーヤ、聞こえるよ~》
《やっちゃ~♪ないちょのおはにゃち、いっぱいできりゅね~》
《ぴゅい~、サーヤ~》
《きゅい~、ぼくたちもいるよ~》
《ふわぁ、もも~すい~》
《《サーヤ~ぼくたちも》》
《《《なかまいれて~》》》
《みゃあ、ココロもにゃ!》
《《《きゅるるん?きこえる~?》》》
《《《《きゅるるん?わたしたちも?やった~》》》》
〖〖今回はお仕置の人数が多いからね。子グモたちも簀巻きばかりじゃ可哀想だしね〗〗
《みんにゃ、いっちょ~》
〖〖そうね♪みんなでやっちゃいましょう♪ところでサーヤ?〗〗
《あい?》
なんですか?
〖〖これは念話だから、多分普通に喋れるわよ?〗〗
《うにゅ?あっ!そっかぁ》
お口使わないもんね!
《ほんとだ~えへ?》
うっかり~えへっ
《うん。今気づくのが~》
《《ぴゅいきゅい、サーヤだね~》》
《それを言ったら~》
《双子とココロと子グモさんたちも?》
《《《なきごえも?》》》
《《ぴゅいきゅい、これはクセだから~》》
《《《きゅるるん、それに~》》》
《《《《きゅるるん、だれだかわかるでしょ?》》》》
《みゃあ、そうにゃ!》
たしかに!思わずみんなで
《《《《《《《なるほど~》》》》》》》
ハモっちゃったね。えへっ。
〖〖あ~念話でもかわいい♪〗〗
ジーニ様も念話でもジーニ様です。
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