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俺は、遠くに見える街に勇気をもって行ってみることにした。
往復三時間程度の場所にあるので、とりあえず小屋の方は鍵をかけておけば大丈夫だろう。鶏には十分なエサと水をあげた上で、出発する。
当然、身一つで行くのではなく、商品をもって。何か有用な商品や情報、何より人脈が手に入るかもしれない。山菜採り用のショイコがあったのでそれに薬草やらハーブ卵などの売り物を入れて出発した。
……俺が甘かったとしか言いようがない。
「~○~◆△☆~□◆☆!」
何を言っているかわからない。商人らしき女性と話をしているのだか。
門番にはゼスチャーで、商品を示し、指をくるくる回して交易売却する意図を伝えたら解ってくれた。背負子にはいっている薬草や卵、鶏を見れば一目瞭然なんだろうけどな。
これも、商社勤めの際に外国に行って、商談を身振り手振りこなしてきた、昔とった杵柄というやつである。
商人らしき女性と話をしているうち、判明したことがある。彼女はサラサさんという名前であるということ。商店を構えていることからして、商人であろうこと、コンニチハ、イクラデスカ、ウリマス、カイマス、の現地語については、もう言えるようになった。
俺の方も、なんとか自分の名前はケイゴオクダであるということを伝えられたと思う。
それもこれも、日本でサラリーマンをしていたとき、海外で商売をしてきた経験に感謝するしかないだろう。
あと、俺の鑑定スキルでは、説明のあと、よくわからない異国の言葉が併記される。これはおそらく看板に書いてあった意味不明な文字と同じもの……か?
だとすると……。
俺は、イレーヌ薬草を指差し、小屋にあった、小さめなマジックボードにその鑑定したときに出る異国語を記載する。筆談である。
そうすると、サラサは、驚いた口調で何やら話し出す。おそらく、イレーヌ薬草が有用なのだろうということは雰囲気で伝わってきた。
俺は全てのイレーヌ薬草の葉の束を並べると、サラサは銀貨五枚を並べ、指をくるくると回し、交換するというジェスチャーをしてきた。俺は、現地の言葉でウリマスと答えた。
そのやり取りを、ムレーヌ毒消草、ハーブ卵についても同様に繰り返したところ、ムレーヌ解毒草の束は銀貨四枚、ハーブ卵10個は銀貨2枚で売却することができた。
一応、バドル毒草についても持ってきてはいたが、試しに聞いてみると、ついて来いというジェスチャーをされた。
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商人のサラサちゃん登場です!
サラサのお店は、なんでも取り扱っている商社的なイメージです。