215 それはもふもふだから
じぃじたちが泉から上がってきました。 じぃじの頭には亀じぃ、背中にはアウルとアルが乗ってます。
『どうした?やっぱり水の中じゃ上手く撒けなかったか?こっちでもたった今気づいたんだよ』
やっぱり上手くいかなかったのか?と、おいちゃんがじぃじたちに確認すると
『それもあるんだがのぉ?』
『青葉に名前をつけたじゃろ?結葉様のおっしゃってたことが的中していての』
「うにゅ?」
『え?何がだ?』
何が当たったのかな?
『成長していたんじゃよ。青葉の精霊樹もの』ふぅ・・・
『それも驚くほどのぉ』ふぅ・・・
『は?』
「ふぇ?」
『あらぁやっぱりぃ?』
ため息つくほど?あれ?結葉様いつの間に隣りに?
『上に伸びれないからか根が広がっての。幹が太くなって枝が横に広がってての?』
『それを見て青葉が気絶してしまってのぉ』
『今、残った薄花たちが看てるんじゃよ』
『あ~ん』
『青葉~』
『しっかり~』
『『『どうしようどうしよう』』』
『『『じぃじたちはやく~』』』
『う~んん・・・』
『あららぁ』
『それはまた…』
「ふあ~?あおばちゃん、だいじぶ?」
倒れちゃったの?
『大丈夫じゃよ。すぐ気がつくじゃろ』
『それでのぉ、そんなわけでさっきの分だけだと、腐葉土が足りなそうなのとのぉ』
『何とか根の周りに腐葉土を入れられないかと思っての。相談に来たのだよ』
じぃじたちが泉から上がって来た理由を話してくれました。それにしても、どのくらい大きくなっちゃったのかな?
『そういうことか。でも、水中で地上と同じような耕し方は出来ないよな?地盤が柔らかくなりすぎても困るだろうしなぁ』
『青葉じゃ、まだ樹を動かすことは出来ないでしょうしねぇ。この気配だと水の精霊樹はまだ意志までは持ってないでしょうしぃ』
おいちゃん水の中だから下手なことは出来ないしなって言ってます。
結葉様は魔力を青葉ちゃんの精霊樹まで伸ばして、探ってみてくれたみたいだけど、まだ結葉様の精霊樹さんみたいにお話はできないみたいだって。
『あ、あの~。水の中って、泉の底ってことだか?』
もぐらさんが恐る恐るという感じでお話に参加してきてくれました。
『そうだ。出来るか?』さわさわ
『さすがにオイラも水中じゃ息さできないんだな。誰かがそこをなんとかしてくれれば、できるかもしれないだどもな?』
そりゃそうだよね。もぐらさんだもんね。
『それはワシらがシールドを張るから大丈夫じゃろ』
『なんなら手だけ出すことも可能じゃろのぉ』
そっか。亀じぃはシールド大得意だもんね!
『そりゃ助かるんだなぁ。根っこの周りさ、オイラが所々トンネル掘ってみるんだな。したら、そこに誰かがその腐葉土?ってヤツを埋めてくれれば、なんとかなるかもしれないだよ?』
もぐらさん、自分に出来そうなことを教えてくれた上で、これならって提案してくれます。優しいです。
ぴょんぴょん
ぷるるん『『それは私たちがする』』
あ、アルとアウル。
『うわあ?ス、スライムが喋っただか!?』
おお?もぐらさんが驚いて、後ずさっちゃった?
『そりゃのぉ』
『エンシェントスライムだからの』
喋るくらい当然だと言わんばかりのじぃじたち
『…次から次へとなんなんだべ?』
ん~たしかに、初めての人は驚く・・・かな?
『ここは少し前から聖域じゃからのぉ』
『まあ、暫くは驚くことだらけじゃろ』
諦めるしかないなって、じぃじたちから言われてる気がします。じぃじたち、自分にも言い聞かせてる?
『そ、そうだか?まだあるだか…』
ん~あるかも?
『ところでお主一人なのかの?』
『仲間はおらぬのかのぉ?』
あれ?そういえば?
『あ~、そもそもオイラこんな変な色だべ?仲間からは気味悪がられてたんだな。だけんどな?数日前、急に仲間が『ここは息苦しい。他に移る』って言い出したんだぁ。だども、オイラには逆に気持ちよくなったんだどもなぁ?だから、そう言ったら、オイラだけ置いてかれたんだな』
もぐらさんが、ちょっと悲しそうに言います。
でも、変な色なんかじゃないよ?オレンジ色っぽい茶色はとってもキレイでつやつやもふもふです。
「どちて?もぐりゃしゃん、とっても、きりぇい」
ぎゅううう。変な事言うね。きっと他のもぐらさん達は悪い子なんだよ!ぷんぷん!
〖そうね。サーヤの言う通りね。数日前ならちょうどここが聖域になった頃ね。おそらく、その元仲間たち、あなたをいじめてたんじゃない?〗
ジーニ様のお目目が細くなってます。
『え?いやぁそのぉ』
もぐらさんが答えに困ってます。ジーニ様、図星だ!
〖馬鹿な子達ね。多方、あなたのその色のことでいじめたんでしょうけど、あなたのその色は上位種の色よ?まあ、その事を知ってても知らなくても自分たちと違うと言うだけでいじめるなんて。ここは聖域。ましてその中心。そんな穢れた心を持っていたら苦しくて逃げるでしょうね〗はあっ
ジーニ様がイラッてしてるのが伝わってきます。サーヤもぷんぷんです。いじめダメ!
『え?上位種?オイラがだか?』
もぐらさんがびっくりしてます。知らなかったんだね。上位種だって!すごいね!
〖そうよ。だから見事な美しい色をしてるでしょ?それに、気持ちよくなったってことは、心もキレイということよ。まあ、あなたの元仲間もその内浄化されて反省するんじゃないかしら?こんな聖域の中心でしかもこれだけの者たちが揃ってたらちょっとでも邪な者は苦しくて居られないでしょうけど、多少離れれば苦しさも和らぐでしょうしね〗
『お、オイラが上位種…まだ信じられないだども、オイラここにいていいんだか?』
もぐらさんが申し訳なさそうに聞いてきます。
〖もちろんよ。だいたい、いなくなるなんて言ったら、あなたの事をもう友達だと思ってるサーヤが泣くわよ?〗
「ふえ?もぐりゃしゃん、いにゃくにゃっちゃうにょ?」うりゅうりゅ
ダメだよ。ここにいようよ~
『あっあっ泣かないでぇ!いなくならないだよ!いる!いるだよ!』
「ほんちょ?」うりゅうりゅ
いなくならない?
『ほんと!ほんとなんだな!』
「よかっちゃあ」にぱぁ~。
ぎゅううう。もふもふ~
『あ、あの?そろそろ離してぇ~。そもそも、なんでオイラ抱きつかれてるだぁ?』
もふもふもふもふ~
『それはね~』
ぴゅいきゅい『『もふもふだから~』』
『『だよね~』』
『『『ね~』』』
ハクたちの言う通りだよ!もふもふは正義!
『えぇ?わけわからないんだな』
もふもふもふもふ~むぎゅう
『あ~ぁ』
ぴゅいきゅい『『だめだ~』』
『『がんばれ~』』
『『『がんばって~』』』
『えぇ?頑張れっていわれても?誰か助けてぇ?』
〖ごめんなさい。無理だわ〗
『そんなぁ~』
もふもふもふもふ~ふへへへへへ・・・
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