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若い男は酔った勢いで酒の瓶を床に落とすと、ジャントゥーユに絡んだ。
「生憎だがここにはキャンディーなんか売ってねぇぜ。欲しかったらお前のママをここに呼んで来いよ、俺がお前のママンにぶっといキャンディーを舐めさせてやるからよ!」
男はそう言うと自分の履いてるズボンのベルトを緩めると、下半身を露出して彼に押しつけた。
「どうせテメェのママはヤリマンだろ? 旦那に隠れて他の男とやってるようなアバズレの魔女なんだよ、テメェのママを四つん這いにさせてアソコに俺の肉棒を突っ込んでバックから犯してやる!」
男がそのことを言うと周りにいる男達が「そーだ そーだぁ!」と悪のりしながら騒ぎたった。彼は獣のような目付きになりながらそのことを言い放った。
「なんなら気味が悪い顔のテメェとカマ掘りしてもいいんだぜ?」
彼は酔った勢いでフザケ半分にそのことを言うとバカにしたのだった。ジャントゥーユは男を無視すると、隊長を呼んで来いと命令した。すると再び男は茶化してきた。
「ハルバート隊長を呼ぶまでもねー! テメェなんか俺がカマ掘ってやるぜ!」
彼がそう言うと、周りは再び騒ぎ出して煽った。
「やっちまえスティング! クソ野郎の看守なんか犯してやれ!」
周りは瓶を投げつけながらさらに酔って騒いで煽った。男がいきなり彼に向かって襲いかかると、ジャントゥーユはニタリと笑った。そして、鋭利なナイフを彼の下半身にブスっと突き刺したのだった。鈍い感覚のあとに下半身に突如、激痛が襲いかかった。
『ギャアアアアアアアアアアアッ!』
突然の激しい痛みに彼は大きな声を出して悲鳴をあげると、床にのたうち回って絶叫した。ジャントゥーユはその光景を首をすこし傾げながら、壊れた人形のように眺めたのだった。自分の下半身から大量の血が溢れ出すと、彼はパニックを起こしながら喚き声を上げた。酔いが一気に覚めると、周りは一瞬にしてシンと静まり返った。背筋が凍りつく様な異常な状況の中で彼が喚き声を上げて床でのたうち回ってると、ジャントゥーユは彼の目の前にしゃがむと再び話した。
「隊長を呼んで来い……早く呼んで来ないと……次はお前の目玉を抉り抜くぞ……?」
ジャントゥーユは不気味な表情でニタリと笑うと、男の頭を鷲掴みした。
「呼ぶか……呼ばないか……どっちだ……?」
彼のイカれた行動に周りは一斉に野次を飛ばすが、ジャントゥーユは彼の目の前にナイフを翳してチラつかせた。そして、激しい痛みに体中をガタガタと震わせながら恐怖に怯えた声をあげたのだった。その光景を近くで見ていた2人の男が、なにやらボソボソと会話を始めた。
「おいおい、何なんだよアイツ……!? 頭イカれてるぜ……! スティングの下半身をあのナイフで刺しやがった! 正気じゃねーぞ、誰か今すぐハルバート隊長を呼んで来い!」
誰かがそのことを言うと、1人の男が隊長を呼びに奥の部屋へと慌てて入って行った。