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第12話 此の国の神殿の外は……(1)

「くそぉっ!」

 苛々した男の台詞が聞こえてきたと、同時に。

〈ドン!〉だ。
 
〈ドーン!〉と。

 何かを蹴り。そして、それが、その者が、地面へと倒れる音が聞こえてきた。

「俺の前を塞ぐなぁあああっ! 塞ぐ者は容赦をしない。しなぞ。この者のように……。そしてこの者のように屍。骸になるのが嫌なら。俺の前を塞ぐなぁあああっ! 直ちに道を開けろぉおおおっ! これから此の国の漢王になる俺の為に道を開けろぉおおおっ! 行く手を阻むなぁあああっ!」と。

 怒気を含んだ声音で、声を大にして叫びながら。自身が持ち、握る。鋼の戟を振るい。落とし。強打──!

 そのまま、自身の前方から襲いかかってくる敵に対して、戟の矛先で突き──。突き! 突き! を繰り返し。今度は自身の周りに防御を張るかのように戟を振るい。自身の行く手を阻む者達。此の国の宮殿を警護していた兵達と。健太専属の間者の長であるメイの命令、下知で、増援へと向かった。向かってきた敵兵に対してウォンは鬼神の如く振る舞い。武と力を披露しながら次から次へと排除してみせるのだ。

 だから彼に忠誠を誓った此の国、二国の王健太へと謀反。反逆の意を示した兵達。彼、ウォンの背、背後から付き従う者達は、自身の主の一騎当千的な振る舞い。活躍を凝視して。

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