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203 総員退避ーっ

生首事件の引き金も結葉様でした。
今回の被害者は驚いたちびっ子同盟たちにより、

まずは、しがみつかれて爪を立てられたおいちゃん。
『サーヤ…』
「ごめしゃい」ぺこり

お腹ボーン&むぎゅう攻撃を、お顔に受けたアルコン様。
『モモ、スイ…』
ぴゅいきゅい『『ごめんなちゃい』』ぺこり

髪の毛に潜り込まれ、もしゃもしゃ頭になったフゥとクゥ。
『『フィオ、ヴェル、アーブ…』』
『『『ごめんなさい~』』』ぺこぺこ
みんなでごめんなさいです。でも、サーヤたちも被害者だと思うの。くすん。

『ぼくたちは~三人で丸くなってたからね~』
『『ね~』』
そうだね。ギン様がホッとしてます。

『いえ、全ては私が原因です。申し訳ありませんですわ』
アイナ様がしゅんっとしてます。アイナ様の後ろで土の妖精さんたちもぺこりってしてます。

でも、おいちゃんの土に感激してやっちゃったことだし。元は結葉様だし…。サーヤたちがびっくりしすぎちゃったのがいけないのです。アイナ様、悪くありません。

「あいなしゃま、だいじぶ。あいなしゃま、よりょこんぢぇ、で、くりぇちゃ、だけ!」
ん~っせめて「で」は言えるようになりたい~!
「さーにゃ、や!も、ごめしゃい。もう、びっくりちない。だいじぶ!」

ふぅ~。いっぱい言えました。おでこの汗を拭います。あれ~?みんながニコニコしてこっち見てる~?

「うにゅ?」

『サーヤちゃん、ありがとうございますですわ。でも、私も気をつけますわね。また何かおかしなことをしてしまったら、教えてくださいませね』
にっこりと笑顔で言ってくれました!

「あい!」にこっ

『ふふ。かわいいですわぁ』
抱きしめられてすりすりされちゃいました。えへへ。

『皆さんもごめんなさいですわ』

『大丈夫~』
ぴゅいきゅい『『もうびっくりちないよ~』』
『『喜んでも』』
『『『だいじょうぶ~』』』
ほら、ちびっこ達も大丈夫だって!

『ははっそうだな』
『地の精霊王様ですからね。良い土に出会えば喜んで当然でしょう』
アルコン様とギン様の言う通りです。

『そうよぉ、気にし過ぎよぉ』

しーん…

『あらぁ?』

〖あんたが言うんじゃない!〗ビシィッ
ジーニ様の言う通りかな~?
結葉様だけが『え~』って言ってるけど、周りじゅうみんな、ウンウンってしてます。『え~』は却下です。

『ま、まあ、それはともかくとして、土の魔法の練習をすると仰ってましたわよね?』コホンっ
アイナ様が、ズレまくってた流れを元に戻しました。

〖そうなのよ。ゲンがやったことをサーヤたちもやってみたいって言うからね。初めての練習にはいいかと思って。土の魔法なら安全かと思ってね〗チロっ
「うにゅ?」
ジーニ様、なんでサーヤをチロって見たのかな?

『そうでしたのですね。そういうことでしたら、是非、私も拝見したいですわ』にこ

〖そうね。私達もまだ見てないのよ。ゲン、昨日何をしたのか、見せてもらっていいかしら?〗じとー
あれれ?ジーニ様のおめめが、なんか変です。あれれ?アルコン様とギン様も?

『え、ええ?何がありましたの?』
『にゃにゃにゃ?みんなが変にゃ』
アイナ様とニャーニャにゃんも、変なおめめに気づいたみたいです。

『ん~?いいけどな?そんなに特別なことしてない気がするんだけどな?』

〖『『そんな訳あるかっ』』〗
おおっ!ジーニ様、アルコン様、ギン様のツッコミが入りました!
そうだよね?きっと普通にしてたら、トレちゃんも来てくれなかったし、ゴラちゃんもいなかったかもしれないよね?
あれ?そう言えば、結葉様は・・・?
にこにこにこにこ
なんか、にこにこしてます。

『ええ?そうかな?』ポリポリ
おいちゃん、頭ポリポリしながら
『とりあえずこの辺だけでいいか?』
と言って、畑の縁にあぐらかいて座り込みました。

『あっそうだった。トレちゃーん!ゴラちゃーん!』
おいちゃんが大きな声でそう呼ぶと、森の中から何かを抱えたトレちゃんとゴラちゃんがやって来ました。

『おう!おはよう!二人ともありがとな。それ、ここにまいてくれ!』
トレちゃんとゴラちゃんが森から持ってきてくれた落ち葉?もう、腐葉土かな?を、まいてくれました。

『トレントに、マンドラゴラ?』
『しかもにゃ、見たことのにゃいマンドラゴラにゃ』
初めて会うアイナ様とニャーニャにゃんが、呆然としながら呟いてます。

「とれちゃんちょ、ごらちゃん、ぢゃ、だにょ」
う~あとちょっと~
『お~惜しかったな。サーヤ。がんばれ!もう少しだな』
にかっと笑って頭なでなでしてくれました。えへへ。
『えっとな、友達になったトレちゃんと、ゴラちゃんだ。ゴラちゃんはサーヤの出してくれた、甜菜って野菜から生まれたんだ』
おいちゃんが紹介すると

『なるほどにゃ。どうりで見たことないはずにゃ』
『あなたは異世界のお野菜から誕生されたのですね』
納得してくれた様子のアイナ様たちに『そうだよ』って、ゴラちゃんが頭の葉っぱをゆさゆさ揺らしてます。

『ふふ。ありがとうございますですわ。トレちゃんにゴラちゃん、よろしくお願いいたしますですわ』
『よろしくにゃ!』
みゃ~『よろしくにゃ~』

挨拶するアイナ様たちにおじぎをするトレちゃんたち。すごいね~。

『よし、それでな?空気と、この持ってきてもらった腐葉土を、植物の根がちゃんと張れるように深めにかき混ぜて、ひっくり、返す!』
おいちゃんがそう言って、地面に手を置いて魔力を流し始めると、土がぼこぼこしてきました。それを見たニャーニャにゃんが

『まずいにゃ!総員退避にゃ~!急ぐにゃ~!!』
と、慌てて叫びました。すると

『『『『きゃ~!』』』』
『『『逃げろ~!』』』
『『『巻き込まれるぞ~!』』』
『『『『わ~っっ!』』』』
って、土の中からとんがり帽子の土の妖精さんたちが、しゅぽぽぽんっ!と、飛び出してきました!

「ふぁぁぁぁ?」
その直後、畑の土がおいちゃんの前から波のようにぼこぼこぼこぼこ~っと波打ったかと思うと、ほかほかふかふかの畑が出来上がり。畝までちゃんと出来てました。

『『『『ふい~ぃ』』』』
『『『『危なかった~』』』』
『『『全員無事か~?』』』
『『『んもう!』』』
『『『気をつけてよね!』』』
『『『は~ぁ』』』
『『『『ごくらくごくらく~ぅ』』』』
飛び出したてきた土の妖精さんたちが、おいちゃんに文句を言いつつも土の中に戻って行きました。
みんなびっくりです。

『ゲンさん、この土には妖精たちがいっぱいにゃ~気をつけてくれないと、妖精たちまで土の養分になっちゃうにゃ~』
ニャーニャにゃんがおいちゃんにお説教です。

『お、おう。悪かったな』
おいちゃんも頭ポリポリです。よかったね、妖精さんたち養分にされなくて。

『はあ、こんな規格外なことをなさってたのですわね』
『びっくりにゃ』
地の精霊王様とニャーニャにゃん、魔法を覚えたばかりのはずの、おいちゃんの魔法を見て、信じられないものを見たと首を振ってます。

〖あははは、私もびっくりよ〗
ジーニ様、完全に乾いた笑いです。

『ゲンさん、なぜ土にあの落ち葉と土を混ぜたのですの?』
『そうにゃ、なんでにゃ?』
あれ?腐葉土、知らない?

『あれは腐葉土って言ってな、落ち葉が土に還ったものって言ったら、分かりやすいか?とにかく良質の天然の肥料なんだよ。普通、放っておいて堆積していけば、森の木々の養分になるだけだけどな?少し分けてもらって、畑の土に混ぜれば、柔らかくて栄養たっぷりな土になるわけだ』
おいちゃんが、説明すると

『なるほど。土が柔らかければ根も張りやすいですし、水はけも良いですものね。栄養が多ければ植物も元気に育ちますし』うんうん
『気持ちよさそうだにゃ』
おいちゃんの説明にアイナ様たちも、うんうんって納得したみたいです。

ふりふり。ん?トレちゃん?ふむふむ。
「あにょ、ね!とれちゃんが、いみゃ、おちょもだちちょ、じぶんたちにょ、あんよにょ、ちょこ、ふかふかにちちぇりゅっちぇ」
おいちゃんのやり方見て、自分たちでも少し出来るようになったんだね。すごい!

〖サーヤ、トレちゃんの言葉が分かるの?〗
ジーニ様がびっくりしてます。

「あい!きにょうより、わかりゅ」
昨日も声聞こえたけど、今日はもっとはっきり聞こえたよ!低くて優しい声だよ!

〖そう。良かったわね。仲良くなったからね〗
「あい!」
そっかあ。仲良し、うれしいな♪

『トレちゃん、足元ふかふかにするとどう?きもちい~い?』
結葉様がにこにこで聞いてます。トレちゃん思いっきり気持ちいいって言ってるよ。

『そうなのねぇ~。じゃあ、サーヤ』
「うにゅ?」
なんですか?
『私の足元も、ふかふかにして♪』
「ふにゃ!?」
どういうこと?

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