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♯1 ベージュの男

火の国・中米ニカラグア。コーン諸島にオメテペ島に珍しい果物が有名となっている国だ。


観光地としても人気。


ジョコンダ・クアドラはこのニカラグア出身で、よく街を歩いていた。今日も歩いている。


〈コーン〉このリンゴ、いくら?


ジョコンダは、普段は殺し、運送などを仕事にしているので名を伏せてニックネームとしてコーンにした。コーンは街の露店でリンゴを買おうとしていた。ニカラグアは果物が美味い。


〈店主〉14.00コルドバだよ


14.00コルドバは45円だ。リンゴにしては凄く安い。この国の魅力の1つだろう。


〈コーン〉さすが、安いな10個くれ


〈店主〉あいよ! まいど!


コーンはリンゴを買うと、1つかぶりつきながら家へと向かった。自分の家はレオンという街にある。ここはレオンの郊外だ。家まではそう遠くない。帰り際に知り合いにあった。


〈ゼブラ〉よう!


〈コーン〉ん? ゼブラか、何の用だ今日は依頼来てないぞ


〈ゼブラ〉べつに? お前なにしてるのかな?って


〈コーン〉お前はおれの彼女か!


この全身白黒のシマシマの服を着た男はゼブラ。身長が高くて長髪。イケメン。サングラスをしていて、お調子者。コーンの右腕ではあるが、コーンは人を信用しておらず、ゼブラを毛嫌いしている。仕事もたまに一緒にやる程度だ。だが、1番古い人間だ。


〈ゼブラ〉フハハハハ! 今から帰るのか?


〈コーン〉そだけど?


〈ゼブラ〉じゃあ今日、そっち行くわ


〈コーン〉は? めんど、わかった


〈ゼブラ〉きまり! お! リンゴか、1個貰うぞ


2人でコーンの家に向かった。家に着くとゼブラはソファーに座った。コーンはキッチンに先程買ったリンゴを置いた。この家は二階建てで、1回がキッチン、リビング、トイレ、シャワーがある。二階には寝室、トイレ、もう1つの部屋があるのだ。


広めの家だ。ゼブラはリビングのソファーに腰を掛けた。コーンは2つグラスを用意し、大きめな氷を入れウイスキーを注ぐ。


そして、コーンはゼブラにグラスを渡す。


〈ゼブラ〉おっ! このウイスキーは?


〈コーン〉タラモアデューだけど?


〈ゼブラ〉アイリッシュか、いいね〜! うむ、美味いな、サンキュ!


そこにコンコンと扉からノック音が聴こえる。


〈コーン〉だれだ?


と、扉を開けた。すると全身ベージュのスーツを着た男性が立っていた。スーツの左胸にドクロのマークがある。


〈ボーン〉君はコーンという人間か?

〈コーン〉ああ、そうだ


〈ボーン〉あがっていいか? 話がある


〈コーン〉ああ


するとその男性は、中に入りソファーに座る。


〈コーン〉ウイスキー飲むかい?


〈ボーン〉いや、遠慮しておく


〈コーン〉そうか


〈ボーン〉ところでそこの男は?


〈ゼブラ〉初めまして! ゼブラです! あの男の右腕だ


ゼブラはその男性と握手した。


〈ボーン〉ボーンだ、よろしく


〈コーン〉ちがう!ただの知り合いだ


その男は、スーツの色に反して凄く大人しくガタイがよく無口系の男性だ。なによりオーラが出てる。人を平気で殺す、無慈悲なオーラがその男から出ている。


コーンが座ると、ボーンは話を始めた。


〈ボーン〉話をしよう。仕事の話だ。コーン、君に「あるもの」を運んでもらいたい、君は運送もするんだろ?


〈コーン〉運送か、いつまでだ? どんなモノだ? 大きさは?


〈ボーン〉「ブランデー」だ。大きさはあそこにあるタラモアとそうは変わらない。期限は無期限


〈コーン〉は? 無期限? なんだそりゃ? まあいいや、費用は、200.000C$だ


〈ボーン〉なんだと? なぜ運ぶだけで20万コルドバなんだ?


〈コーン〉大きさも物も大したことじゃない。だが、期限が無期限、それがおかしいんだよ。20万用意出来ないなら断る


200.000C$は、日本円で65万円に相当する金額だ。そう、彼はこの運送に65万という金額を男に提示したのである。通常はそんなには頂かない。


〈コーン〉どうする?


〈ボーン〉ちっ! なんてガキだ! お前の腕はたしかなのも知ってる、有名だ。この仕事をきっちりやってくれるだろう


〈コーン〉そうだ、俺にできないことはない


〈ボーン〉いいだろう。20万コルドバ、払ってやる、その代わりぜったいに遂行しろ


〈コーン〉いいぞ! やっぱりウイスキー飲んでいけよ、契約ってことで乾杯しようや


〈ボーン〉ああ、さっきまでその気はなかったが、今は飲む気になったよ貰おうか


ボーンは気負いしてしまった。驚いた様子でグラスを手に取る。ボーンは一気にウイスキーを平らげた。


〈ボーン〉ふっ…… 酒は美味いな


〈コーン〉相当酒が好きなんだな


〈ボーン〉まあな、さっき言ったブランデーは俺が作った最上級のブランデーさ


コーン〉なんで、無期限なんだ?


〈ボーン〉それはすまない、言えねえ


〈コーン〉別にいいさ、で? どこに運ぶ?


〈ボーン〉アルゼンチンだ


〈コーン〉は? アルゼンチン? 初めていくところだな、たしか南米か?


〈ボーン〉そうだ。そこに俺の親族がいる、そいつに渡せ、詳しい情報はここでは言えない。船に乗ったら俺から連絡する


〈コーン〉わかった


〈ボーン〉さてこの辺でおいとまするよ。あ、そうだ、お前ら2人で運ぶのか?


〈コーン〉いや、俺1人だ


〈ゼブラ〉え!?


〈コーン〉なんだ? 嫌なのか?


〈ゼブラ〉てか! 俺はお前の右腕だろ!?


〈コーン〉ゼブラ、落ち着けって。てか右腕じゃねぇし


〈ゼブラ〉そんなこと言うなよ、悲しいだろ


〈ボーン〉仲良いんだな、じゃあまたな


そういうと、ボーンはソファーから立ち上がりベージュのハット帽子を被り、家から出て車に乗って行った。


〈ゼブラ〉おい!! この仕事! 俺も行くからな!


〈コーン〉ゼブラ、お前に頼みたい事がある


〈ゼブラ〉え? なんだよ? 珍しいな?


〈コーン〉そっちを頼めるか?


コーンはゼブラにある事を頼んだ。


〈ゼブラ〉なるほど、わかった


〈コーン〉ああ


〈ゼブラ〉だが、気をつけろよ


〈コーン〉俺は無敵だ、てめえこそ死ぬなよ


〈ゼブラ〉うるせぇ


〈コーン〉じゃあ明日から仕事に取り掛かる


コーンは拳をゼブラに突き立てる。


〈ゼブラ〉了解


ゼブラも拳を出してコーンとグータッチをした。


ついに始まる運送の仕事。だが、これはただの仕事ではなかった。この仕事には裏の背景が隠れていた。壮絶な出来事が待っていた。


明日が本当の始まりだ。コーンたちはなにやら明日の準備をして自分の寝室で寝静まった。


ー ♯1 ベージュの男 ー 続く。

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