118章 異物を取り除く
「カウドック」を発見。前回と変わらず、元気そうにしていた。
購入したばかりの、パン、チーズを与える。肉は過熱する必要があるため、すぐに与えることは難しい。
「カウドック」は餌を食べると、子供さながらに喜んでいた。その様子を見ているだけで、心が和むような気がする。
一体の「カウドック」がぐったりとしていた。定休日を知って、深い眠りについているのかな。無理に起こしてはいけないので、ゆったりとさせることにした。
「キャットブラント」は目を開けていた。定休日なのか、落ち着いているように感じられた。
「キャットプラント」の好物はキャベツ、ニンジン、玉ねぎといった野菜である。野菜好きなところが、
「キャットプラント」の身体とマッチしている。
「キャットプラント」は牛肉、豚肉、鶏肉などを苦手とする。野菜は食べられるのに、肉を食べられない猫は珍しい。猫に分類されるものの、中身は異なるのかもしれない。
「キャットプラント」にキャベツ、ニンジン、玉ねぎを混ぜたものを与える。「キャットプラント」は、大好物を食べられたからか、子供みたいにはしゃぎまわっていた。アカネはその様子を見ると、自然と頬が緩むこととなった。ペットたちには、子供とは違った可愛らしさがある。
甘いものを大好物とする「バターシープ」には、チョコレート、キャンディー、ビスケット、バナナ、オレンジ、メロンなどをプレゼント。餌を与えられたペットは、喜びの感情を爆発させていた。あまりにも可愛いので、胸キュンしてしまった。
「チープドッグ」という動物を発見する。名前の通り、羊、犬を半分ずつ融合させているように映った。
「チープドッグ」にパンを与えようとしたものの、見向きもしなかった。こちらには興味がないのかもしれない。
チーズを与えようとしたものの、こちらにも関心を示さなかった。乳製品そのものに、興味がないのかなと思った。
どうすればいいのかなと思っていると、ハルキがやってきた。
『「チープドッグ」は何を食べるのかな?』
『「チープドッグ」は、草を好物としています。他のものについては、一切食べません」
「野菜は食べないの」
「食べません」
草だけを食べる生き物がいるとは。「セカンドライフの街」には、アカネの知らないことがたくさん存在している。
「餌はどのようにして、与えているの?」
「草を売っている店があります。そちらで購入して、ペットに与えています」
草を売るという発想はなかった。記憶に新しい言葉が、刻み込まれることとなった。
「睡眠をとっている、カウドックはお休みなの?」
『この「カウドック』は数日前から、ぐったりとすることが多くなりました」
休みを取っているのではなく、体調不良でぐったりとしているのか。
『「カウドック」の状態を調べてください』
「できる限りのことはやってみる」
アカネは医者ではないため、病気の詳細はわからない。力になれるのかは未知数である。
病気はわからないものの、魔法で身体の中を見ることはできる。アカネは魔法を使用して、体
内をチェックすることにした。見落としがあってはいけないので、細心の注意を払うことにし
た。
アカネは胃のあたりに、金属が埋まっているのを発見する。大きさとしては、10センチ程度であると思われる。
「身体の中に、金属が埋まっているね。ぐったりしているのは、そのためじゃないかな」
「金属ですか・・・・・・」
「はい。何らかの形で、混入したんじゃないかな」
思い当たることがないのか、ハルキは首を振っていた。彼女の知らないところで、金属が混入
したと思われる。
「取り除くことはできますか?」
「やってみる」
アカネは魔法を使用して、犬の体内に埋まっている、金属を慎重に取り除いていく。強い衝撃を与えると、身体を痛めてしまいかねない。
異物を取り除いた直後、「カウドック」は元気を取り戻す。その様子を見て、ハルキは笑顔を浮かべていた。
「アカネさん、ありがとうございます」
「カウドック」が、金属を飲み込むのは考えにくい。意図的に混入されたものを、飲み込んだと
考えられる。アカネは魔法を使って、異物が体内に入るまでの時系列を、映し出すことにした。
「ハルキさん、異物が混入するまでの映像を見よう」
「アカネさんは過去を見られるんですか?」
「うん。魔法を使うことで、過去を見られるんだ」
「どうなったのかを知りたいので、一緒に映像を見たいです」
故意に混入された場合は、絶対に許さない。ペットを傷つけた、罪を償わせてやる。