第9話 監禁・捕らわれの身……(4)
と、いうことだから。女王アイカの方は、捕らわれの身、監禁の身の上であろうとも。それなりに幸せに、不自由なく暮らし、生活を営んでいるけれど。彼女、女王アイカと不倫、と言うか? 盗られた元カノ、婚約者、妻だったかも知れない女性。女王アイカに強引なアタックとNTR。寝取りを仕掛けたウォンの方はというと。本当に悲惨、惨めな様子で、小さくて汚い。そして暗い小部屋で繋がれながら斬首の刑の処分、日がくる。訪れるのを、首を長く、ではないが。碌に食事や水も与えてもらっていない。薄汚れた様子で部屋に隅に、力無く横たわっている姿は、勝手の此の国の英雄。オーク最強の漢戦士だと、世に褒め称え、謳われた面影の方も影を潜め、衰弱仕切った様子でいる。
そんな彼を嘲笑うかのように、毎日二国の王。皇帝健太は、自身のお供、護衛でもある間者の主、長……。
只今、ウォンが所有していた領地の領主に就任しているインプ族。翼のある小鬼の一族の長であるミライ。そう、ウォンと女王アイカが内通をして己の主、王健太を亡き者にしょうとしていると密告、だけではない。
二人が燃え盛るような不倫の最中──。荒々しい獣化、野獣化しながら交わっていると密告した。健太に大変に優しく、忠実な、年上の妃、ミライを共、護衛として連れながら。鋼の柵が入った小窓から『ニヤリ』と、苦笑を浮かべながら覗き込む。込んでくるのだ。
「ウォンさん、調子は、どう?」とね。