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第8話 主、王の前にて……(10)

「うっ、ううう……」、

「苦しい……」と、いつもの凛とした美しく麗しい顔、表情ではなく。自身の顔を歪め、強張らせて、悲痛な顔と変化、変わっている女王アイカと。

「歯痒い。歯痒い……」、

「俺を。俺を裏切った。蔑ろにしたお前を殺してやる。殺してやる……」と、いつもの如き、朝陽、日輪の如く、いつも皆に平等に笑みを、微笑みを浮かべ漏らしながらいる白馬の王子こと、健太の容姿は、そこにはなく。声からしても、いつもの健太の甲高い声ではなく。まさにウォン若しくは? もうすでに他界をした女王アイカの父のような重たく、低い声音で。女王アイカの華奢な喉元をしめていた両腕、掌を『パッ!』と、離すのだ。健太……。


 二国の男王は、とうとう情に負けてしまい。自分自身を侮り、蔑み、蔑ろにした裏切り者の妻を! 女王アイカを殺す! 息の根を止めることもできずに、自身の妻達皆の願いを聞き入れてしまう愚策……。


 そう、後々後悔をしても知らないよ。と、思うことを平然としてしまう愚策をおこなってしまうのだ。

 何だかんだと言っても、健太はこの世界のシルフィー。自分自身の永遠の妻であるシルフィーとアイカのことを愛しているから。最終的には殺せない。殺せないどころか、彼女。女王アイカの身分である此の国の女王の座を解任、取り上げることもしないで。

「女王アイカは厳重注意と謹慎処分。今後は誰も部屋には近寄らせるな。そして近づけさせるな。俺以外は! わかったな? みな?」と。

 彼が荒々しく告げる。下知をくだしたところで、この度の女王アイカと近衛隊長のウォンとの不倫騒ぎと行為は、健太がこの場で自ら、女王アイカを裁き。これにて聴聞会は終わり。次は戦後処理へと移るのだが。

「ミノタウロスの族長と息子。一族の漢達はみな処刑! 首を落とし。すぐさま、手厚く葬るように!」と。

 また健太自ら、女王、妃達へと指示、告げると。

「族長の女達。一族の女達は、今から俺がいき見定めてから処分を決める」と。

 また二国の王は、この場にいる妃達へと告げ、下知──。下知をくだせば。この場を後にして立ち去り、消えてゆく。姿が見えなくなるだけならばいいのだが。

 その晩彼は! 二国の王健太は! この場にいる妻、妃達の許へと帰り。戦勝の祝賀会。宴を催す。おこなうこともしないで帰らずに、当てつけの如く、この集落の女達。元族長の女、娘達と夜明けまで優艶に戯れ遊び続けたらしい。


 ◇◇◇◇◇

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