第6話 可愛い王様の嫉妬と怒り!(13)
と、可愛い彼がシルフィーへと声を返せば。彼、少年王へと優艶に甘え、戯れていた間者……。日の本で言う忍の長が、慌てて健太に戯れる行為をやめて。その場で膝待着き、平伏……。俯いたままで無言の姿勢、様子へと移り変わる。
そんな間者の長の様子をシルフィーは馬上からチラリと、ではないね。二国の太后殿下さまは、大変に冷たい……。
そう、己の持つ、宝石のような美しい碧眼の瞳の入った大変に大きな目を大変に細くした冷淡な目と瞳で睨み、射殺すように見詰める。見詰めるから。
間者の長は、シルフィーが自身に対して嫉妬心をあらわにしていると悟る。悟るではないか?
そんなことは彼女、間者の長は十分承知、どころか? いつも優雅に神々しく凛とした様子で煌びやかに、宮殿内や後宮を歩く。歩行をしている女王シルフィーが、遠目からではあるのだが。身分の低い間者風情の長である自分に対して、嫉妬心剥き出し。曝け出した表情と様子で、こちらを見る。凝視する。窺う様子が面白い……。