140 頑張った……
精霊さんが三人。妖精さんたちは六人。
サーヤは一応候補を出したが、やはり絞れない。そう言うと
〖じゃあ、また書いてみたら?〗
と、ジーニ様が言ってくれたので。また地面に書き書き
「露草(つゆくさ)」
「薄花(うすはな)」
「月草・鴨頭草(つきくさ)」
「千草(ちぐさ)」
今度は精霊さんたちです。
『一つだけお花なの?』
『あとは草?』
フゥとクゥが今回は草が多いねって。でもね、今回はちょっと違うんだよ。
「みんにゃ、おはにゃじぇ、しょめちゃ いりょ。じぇも、こりぇ、みんにゃ、つゆくさにゃにょ」
『『『え?色?』』』
驚く精霊さん。そう。色の名前なんだよ。
『みんな色の名前で、みんな露草?サーヤ、どういうことぉ?』
精霊樹の精様が聞いてます。
「みんにゃ、ちょっちょ、みじょりっぽい、あおいりょ。こしゃが、ちょっちょ ちがっちゃり、しゅりゅけじょ」
『みんなちょっと緑っぽい青で、色の濃さがちょっとずつ違うのねぇ?』
そうだよ~。
「あい。つゆくさ、かわいい、あおむらしゃきっぽい、おはにゃ。みんにゃ、そにょ、おはにゃじぇ、しょめちゃいりょ」
露草の字を、これだよって木の枝で教えてあげながらせつめいします。
『へ~。露草は青紫っぽいお花なのね?他の草の名前はそのお花で染めた色なの?』
フゥが字を見ながら聞いてくれたけど、一つだけ、もうひとつ意味があるんだよ。
「あちょ、つゆくさの、ふりゅいおにゃみゃえ」
最後、月草を指しながら言います。
「いりょんな、よびかちゃ、いりょにはにゃいけじょ、ほたるぐさちょかも、ゆう」
そう言ってカリカリと
「蛍草(ほたるぐさ)」
と、書きます。蛍草は色の名前じゃないから、かわいいけど、先に書かなかったの。
『はぁ~。どれも素敵ねぇ。露草の露だって、朝露とかの露でしょう?それに他の名前も月とか蛍とかぁ。自然を愛でてくれてるわよねぇ』
〖お花で色を染めるっていうのも素敵ね〗
精霊樹の精様とジーニ様が感心している。精霊樹の精様はうっとりに近いような?
『どれにしよ~』
『迷う~』
『う~ん』
精霊さんが迷ってます。
『それじゃあ、露草って名前だけど、お花の名前なんですか?』
青葉(仮)ちゃんが話しかけてくれました。でも、
「はにゃちかちゃ、ふちゅうがいいにゃ」
敬語はいらないよ?上目遣いでお願いです。
『え?』
戸惑う青葉(仮)ちゃんに、ジーニ様が
〖普通にしてあげて〗
と言ってくれました。
『わ、わかりまし』じぃぃ
『わかったわ』にこっ
「あい!おはにゃにゃにょ」にぱっ
普通にしてくれたから教えてあげるね!
『そうだ!染め物に使えるなら』
『そうだよな!ひと段落着いたら、実際に育てたらいいんじゃないか?』
フゥとクゥが名案!とばかりに言いました。
『あら。いいわね~♪サーヤ、少しだけ種出せる?』
「う?」
精霊樹の精様?フゥとクゥは後でって言ったんだよ?今?出していいかジーニ様を見ます。
〖そうね~、さっき力使ったからね、サーヤ三人だから三粒ならいいかしら?出せる?〗ぼそぼそっ
ジーニ様も仕方ないわねぇってお顔です。〖全くこいつは〗とか、超ちっちゃい声が聞こえた気がしたけど、きっと気のせいです。
「あ、あい。でりょ~」
ぱらぱらぱら
『うふふ。ありがとう♪じゃあ、早速』
精霊樹の精様が、自分の樹の足元に撒いて、力を土に流すと、
ぴょこん。ぴょこぴょこ!っと芽が出てきて、しゅるしゅるしゅるっと伸びたと思ったら、あっという間に蕾ができて…
ふわぁ~っとお花が咲いちゃいました。
「ふぉ~ぉ」
え~?咲いちゃったよ?
『すごいわ』
『咲いちゃったな』
フゥもクゥもびっくりです。
『かわいいわねぇ~♪』
精霊樹の精様満足そうです。
『かわいい』
『小さいね』
『綺麗な色ね』
『これが露草』
精霊四人がじいっと見ています。
水中の花の精霊さんが、
『わたし、薄花にする~』と、言いました。
水中の草の精霊さんは
『じゃあ、ぼくは月草!』
水中の薬草の精霊さんは
『じゃあ、ボクは千草!』
「ちぐさは、ほかにょいりょより、みじょりがかっちぇ、あおい。りゃちい」
一応、異世界辞書情報をお伝えします。
『あらぁ、他の色より緑も青も濃いのね?それじゃあ、薬草にぴったりねぇ。よく効くお薬が出来そうだわぁ』
そうだよね?
「あい。よかっちゃ」
ちょっと濃すぎて苦くなったらやだな~って思ったのは内緒です。
『じゃあ、あとはぁ』
『『『『『『水の妖精だよ~』』』』』』
「あい」
若干、悟りを開き気味なサーヤ。素直に頷いて、カリカリカリとまた発音しながら書き出しました。
「瑠璃(るり)」
「群青(ぐんじょう)」
「浅葱(あさぎ)」
「真空(まそら)」
「御空(みそら)」
「青藍(せいらん)」
『今度は六個なんだね』
青葉(仮)ちゃんがいいます。
「いりょんにゃ、あおにょ、にゃみゃえ」
集めてみました!
『色んな青の名前、こんなにあるのねぇ~』
精霊樹の精様はよっぽど気に入ったのか和名に興味津々みたいです。でもね?
「もっちょ、ありゅ」
カキカキ
「紺(こん)」
「縹(はなだ)」
本当はまだまだあるよ~。
『すごいわね~』
『でも、確かに最初の六個の方が名前っぽいかな?』
フゥとクゥがいいます。
「さーにゃみょ、しょうおもっちゃ」
やっぱりお名前は響きも大事です。カメノゾキ色とか、絶対だめだめ。
『じゃあ、さっきの六個で後で私がつけますね』
「あい。おにぇがいちましゅ」
良かった。ここは青葉ちゃん(仮)があとでつけてくれそうです。
『サーヤ、ちなみにワシらの字はどういう字なんじゃ?』
『そうだのぉ、気になるのぉ』
じぃじたちが、なんだかわくわくしてる?
「あい。わかっちゃ」
とにかく書きます。カキカキ
「青磁(せいじ)」
「蒼(そう)」
『ふむふむ』
『ありがとのぉ』
とっても満足そうにうんうん。ってしてます。
「あい!」
良かった~♪
『さぁ、それじゃあ、私たち四人、つけてぇ♪』
精霊樹の精様がルンルンしてます。精霊樹の精様、水の精霊樹の精霊さん、じぃじ、亀じぃの四人、並んでくれたので、一人一人に順番に目を合わせて伝えます。
「あい。それじゃあ、「むすびは」「あおば」「せいじ」「そう」どうでしゅか?」
『私は「結葉」』
『私は「青葉」』
『ワシは「青磁」』
『ワシは「蒼」』
『『『『よろしく。サーヤ』』』』
ピカピカーっ
ふぎゃ!べちょ~!もふん!
「ふにゅ?」
いっしゅん眩しかったけど、なんか張り付いたよ?なに?
なに?
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