第5話 アイカと年下な男の子(14)
だから此の国の女王アイカは、強引な漢に対して、己も強引な処置へと出る。
「や、やめて~。ウォン~。頼むから。お願い。お願いよ~。私の心も身体も。もう既に~。あのひと~。健太の物なの~。なのよ~。実際~。私のお腹の中には~。あのひと~。そう~、健太の子が宿っている。居るかも知れないの~。此の国の次世代の漢王が~。だからお願い~。ウォン~。離れて~。私から離れて~」
……だけではない。
「誰か~? 誰か~? お願い~。た、頼むから~。ウォンを取り押さえて~。取り押さえて~。お願いだから~」と。
女王アイカは周り、だけでない。辺り一面に聞こえるような絶叫交じりの助けも呼ぶ。呼ぶのだ。
己が今愛してやまない白馬の王子さまこと二国の少年王である健太の耳に入る。聞こえるほどの言葉と台詞を、大袈裟に叫ぶのだ。あなた~。助けて~。助けてよ~。お願い~。お願いよ~。このままだと~。私は元彼に凌辱されてしまう~。しまうようになる。なるから~。助けて~。あなた~。旦那さま~と、でも言いたいような声音で絶叫、助けを呼ぶのだ。
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