122 みんなで練習!
カカカカカカカッ
ゴゴゴゴゴゴゴッ
みんなおいちゃんのご飯に夢中です!
すごい勢いです。ご飯食べてるとは思えない音がしてます。おばあちゃんがいたら、お行儀悪いわよって、メッされそうです。
〖うっ!ケホケホっ〗
ほらぁ、ジーニ様かっこんだら、喉詰まっちゃうよ?
『みんな、飯は逃げねぇから、ゆっくり食え』
おいちゃんも注意するけどみんな聞いてないかも?ダメダメです。
「ごちしょしゃみゃでちちゃ!」
あ~おいしかった!サーヤはおなかいっぱいです!ぽんぽんの虫さんも何も言わなくなったよ!
『おう!お粗末さまでした。美味かったか?』
「あい!おいちかっちゃ!おいちゃん!あいがちょ!」
コケコッコーさんたちも、もーもーさんたちもありがとう!
『おう!豹のあんちゃんとうさぎの嬢ちゃんも頑張ってくれたからな!』
そうだよね!こんなにたくさん、きっと大変!
「ひょうしゃんのおにいちゃ、うしゃちゃんのおねーちゃ、あいがちょ!」
にこにこしながら、ありがとです!
『サ、サーヤ様そんなもったいない』
『そうです!サーヤ様!私たちここにいられるだけで嬉しいんです!』
『お礼なんて』
『とんでもない!』
ふたりともなんだか必死です。ちょっと怖いです。そんなにイヤイヤするなんて、なんか悲しいです。うりゅりゅ
「どちて~?どちて、あいがちょ、め?しょりぇに、さーにゃ、にゃにょ~」うりゅりゅ
悲しいよ~。
『そんな!サーヤ様っ』
さま?うりゅりゅ
『あああ、泣かないでくださいっ』
だって~。うりゅりゅ
『そ、それじゃサーヤさん』
「ふぇ…」
さん?うりゅりゅりゅ
『えっと、えっと』
『どうしたら』
お兄ちゃんたちオロオロしてます。なんで?
〖サーヤ、その辺にしてあげて〗
『うにゅ~?』うりゅうりゅ
ジーニ様が苦笑いしながら間に入って話してくれます。ケホケホもう大丈夫?
『『ジーニ様』』
豹のお兄ちゃんと、うさちゃんのお姉ちゃん、お辞儀して一歩下がっちゃいました。
〖その子たち実はね、元は奴隷みたいな扱いを受けてたのよ。酷い仕打ちを受けても、それでも綺麗な心のままで何とか頑張っていたのを見つけてね。私たちが引き取ったのよ。だからね、お礼を言われたりするとどうしていいか分からないの。更に呼び方となると、直すのは中々難しいのよ〗
ジーニ様も悲しそうなお顔です。
「うにゅう~」
うりゅりゅりゅ。そんなのヤダ。
〖サーヤ…〗
ジーニ様は少し困ったお顔でサーヤの頭なでなでしてくれます。みんなもジーニ様も悲しいのダメだよね?
「じゃあ、さーにょといっちょ がんばりょう!」
〖サーヤ?〗
ジーニ様が今度はちょっとびっくりなお顔です。
「さーにゃみょ、おちゃべり、りぇんしゅう!おにいちゃんちょ、おねいちゃんみょ、ふちゅう、りぇんしゅう!」にこっ
ね?それがいいよ!
『『え…』』
豹のお兄ちゃんと、うさちゃんのお姉ちゃんの目がまん丸になっちゃったよ。
〖サーヤ…なんていい子なのぉ〗
今度はジーニ様、うるうるしてます。
『わははは そうだな!サーヤはおしゃべりの練習!豹のあんちゃんとうさぎの嬢ちゃんは、普通に友だちを作る練習だな!あと、笑う練習な!』
「あい!」
そうだよね!
『『え、え?』』
豹のお兄ちゃんと、うさちゃんのお姉ちゃんはずっと『え、え?』って周りをキョロキョロしてます。気がつくとみんなニッコリしてこっちを見てます。そんなことおかまいなしに、おいちゃんとサーヤはどんどん話を進めます。
『友だち一号はサーヤだから、そうだな~呼び捨てが難しいなら、「サーヤちゃん」でどうだ?な?サーヤ』
「うにゅ~ぅ。さーにゃじぇ、いいにょに~」
サーヤは一番ちびっ子なんだから~
『サーヤ、まずは練習からな。なんでも急にはできないだろ?だからまずは、サーヤも協力してやらないとな』
おいちゃんはいつも正しいです。練習じゃしょうがないね。
「わかっちゃ!」
サーヤちゃんでいいよ!
『よし!いい子だ!』
「えへへ~」
やったあ!
『そういうわけだ。ここにいる連中はみんな仲間だからな!卑屈になる必要はねえよ!みんな平等だ!あっ神様はちょっと違うか~?』
にかっと笑っておいちゃんがジーニ様を見ると
〖そうね~私達も堅苦しいのは苦手だから、多少敬ってくれればいいわよ〗
くすくす笑いながらジーニ様が言います。美人さんは何しても絵になります。
「じーにしゃまはびじんしゃんにゃ、かみしゃま」
〖まあ!ありがとう~サーヤ!〗
ばびゅんとやってきて、むぎゅーされました!失敗!
『ジーニ様…サーヤが窒息しますよ』
〖はっ ごめんなさい サーヤ〗
「ぷはーっ だいじぶ~」
バートさん、ありがとう。命の恩人です。
『いえいえ』
『とにかく、ここにいるヤツらはみんな普通に友だちとして見てるからな!いつまでも遠慮してると逆に怒られるぞ!』
そう言ってバシッバシッ!て、おいちゃんがお兄ちゃんとお姉ちゃんの背中を叩きました。そしたら二人とも
『『ふううぅっ』』
泣いちゃいました!
「あ~! にゃいちゃっちゃ!おいちゃん!ばしばし!め~!」
たいへんたいへんっ
『お、おう?わりぃ そんなに痛かったか?すまん』
おいちゃんもおろおろしてます。もう!だめでしょっ
『ち、違うんです』ぐすっ
『痛くなんてないです』ひっく
「ふえ?」
『え?』
じゃあ、なんで?
『僕たち獣人だからそんな優しいこと言われたことなくて』ぐすっ
『お礼を言われたことも初めてで』ひっく
『『うううっ…』』
ますます泣いちゃいました!
「もふもふ いじめりゅ わりゅいちと!おにいちゃちょ、おねーちゃ、いいこ!にゃにょ!」
そんな悪い人はバチが当たるんだよ!ここには悪い人いないから大丈夫だよ!
〖ふふっ。サーヤの言う通りよ。優しくされることに慣れなさい。ここにいたらそんなことしょっちゅうよ!ね?サーヤ〗
バチンってウインクされちゃいました。
「あい!ごはん、おいちかっちゃ!あいがちょ!」
ほら!という感じでジーニ様がお兄ちゃんたちの背中ポンッしました。
『ど、どういたしましてサーヤ…ちゃん』
『ありがとうございます。サーヤちゃん』
お兄ちゃんもお姉ちゃんも泣きながら照れ照れです。ちょっと下手っぴだけど、笑ってくれてます!まだちょっぴりだけどっ
「あい!」
大丈夫!みんな仲良し!
余談…
『ふふっ、ちなみに天罰なら落ちたようですしね…』ニヤリ
『バートさん?な、何をしたんだ?』
『いえね?この二人を救出したのは私と医神様でしたので…ああ、武神様もいらっしゃいましたね。ふふ』
〖え?何その最凶コンビ…と、脳筋まで?〗ぶるっ
『それは、組み合わせたらダメな組み合わせじゃないか?』ぶるっ
『ジーニ様とアルコン様が震えてらっしゃる?』
『ギンは医神様と武神様にはまだ会ってないものねぇ。会えばわかるわよぉ』
『結葉様、それは一体…?』
『で?何をしたんだ?』ヒクッ
『ふふ。大したことはしてませんよ?武神様は力を入れすぎたようで、家が少々吹き飛びまして。ついでに何故かその家の主とかつらが吹き飛びまして、気の毒に思われた医神様が手当をされようとなさったのですが、ちょっとした手違いでも残ってた毛根が…全ては偶然の積み重ねですよ。ふふ…』
『へ、へ~』
『ああ、ついでに、周辺の屋敷も似た者同士といいますか、類は友を呼ぶと申しますか…ですので、その辺に《《落ちてた》》めぼしい物を持たせて、全ての獣人達を逃がしておきました。これから生活する為にも色々入り用ですしね。今まで働いた給金をまとめて持たせても、何も問題はありませんよね?ふふ…』
『そ、そうだな』ヒクッ
〖さすがね…〗ヒクッ
『モモとスイは聞いてないな…』ちらっ
『ハクとサーヤたちも大丈夫なようです』ほっ
『良かったわねぇ』うふっ
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