第5話 アイカと年下な男の子(10)
その上、自分が住み暮らす神殿がある街、集落を堅固! 華やかな町にする為の作業用の人員、奴隷がいるからと始めた筈の戦、戦争……。
そう、覇王的な侵略戦争だった筈なのに、この待遇……。
武に秀でる自分を蔑ろにして後方支援と後方に対しての防御策……。
もしも仮に何かあれば? 女王アイカの身の上が危うくなるからと、己の今の主である健太から。遠くへと放置、破棄されたような自分自身の身の上、立場への不満と当てつけ、嫉妬心から。女王アイカは己の肢体に触れ戯れることを少しばかり許した。桁が外れただけなのだ。
だから実際彼女、女王アイカ自身も最後までおこう。二国の少年王への裏切り行為はする気も無い。無いから。
元彼、主、夫だったかも知れない漢の、これ以上の強引なおこないは。困る。困るのだ。
自身の身も危うくなるし。いつまで経っても女王アイカの最大のライバルである。ジャポネの女王シルフィーに勝利をすることができない。できないからと。