103 洞窟探検だ~♪
みんなで洞窟探検だぁ~♪
『気をつけるのじゃぞぉ。足下だけじゃなく頭もぶつけぬようにのぉ』
『待て、頭?狭いのか?』
亀じぃの言葉にギン様が反応しました。
『ん~?そうだのぉ。確かにお主には狭いかのぉ?』
『そうか、では仕方ない。ハク、サーヤ一度降りられるか?』
『は~い』
「あ~い」
ハクがサーヤを乗っけてぴょんとおります。すると、ギン様がピカッと光ったと思ったらハクより少し大きいくらいに小さくなってました。
「ふぁ~ぁ!ぎんしゃま、しゅご~い」パチパチパチ
『すご~い お父さんぼくにもできる~?』
ギン様の変身を見てサーヤもハクのおめめもキラキラです。
『ああ。もちろん練習すれば必ずな。だが、今は魔力操作の練習が先だぞ』
『そうだね~。そのために石探しに来たんだもんね~』
「あい!かめじぃ、いしちゃん、おにぇがい!」
『ほっほ。任されよう』
亀じぃ頼もしいです!
『あ~!じぃじと、亀じぃ、笑い方一緒だね~』
あ~本当だ~
「ほっほっ」
じぃじも亀じぃも、ほっほって笑ってる~。同じだね!
『そう言えば』
『そうだね』
『『ほっほっ』』
ハクの言う通りだね。二人とも『ほっほ』だね。妖精さんたちも真似してます。『ほっほっ』
『ほ?そうかのぉ?それはまずいのぉ。変えなくてはいかんかのぉ』
亀じぃがショックを受けたような感じで言います。
「『え~』」
『『そのままで』』
『『いいよ~』』
だよね~?みんなで変えちゃダメ~ってお願いです。
『ほっほ。それはさておき、サーヤは小僧…ん?今は名があるのだったかのぉ?』
じぃじがそう言えばって、普段のギン様に戻ったギン様が自己紹介です。
『ああ。サーヤに名を貰った。今はシルバースノーフェンリルのギンだ』
『お父さんとぼくのお名前合わせて白銀なんだよ~ぼくはね~ホワイトホーリーフェンリルになったんだ~』
ギン様の自己紹介にハクも嬉しそうに加わります。
『ほっほ。そうかそうか、親子でひとつの意味になるのだのぉ。良い名をもらったのぉ。しかし、なんとのぉ、親子で進化したとは、いやはや驚いたのぉ。しかもギン、お主若返っておるな?』
亀じぃがさっきより鋭い目でギン様を見ているみたいです。観察?
『ああ。どういう訳かな、サーヤに名付けられると最盛期に若返るようなのだ。アルコン様…エンシェントドラゴン様も若返られた。いや、むしろ最盛期以上だと仰っていたな』
『ぼくはね~サーヤよりちっちゃかったんだけどね~サーヤにお名前もらったらおっきくなって、お話もできるようになったんだ~』
ギン様とハクが自分たちに起こったことの他にアルコン様のこと、それから他のメンバーにもそれぞれ変化が起こったことを説明すると
『なんと…そんなことが起こるとはのぉ。これはこれから色々ありそうじゃのぉ』
『そうだな。とにかく、一度地上に来てくれ。じじいも一緒にな』
『あいわかった。必ず伺おう』
『頼む』
なんだか途中から真面目な、子供は入り込めないような雰囲気になって、サーヤたちはちょっとどうしようって困ってると
『ほっほっ。ではギン、サーヤはお主が乗せた方が安全じゃろうて。シールドを張ってやるのじゃぞ。ただし狭いからのぉ。体ギリギリでのぉ。サーヤはできるだけギンに抱きついておいで』
そんなちびっこたちの気持ちが伝わったのか、亀じぃがニッコリしてこれからどうするか話し出しました。
『分かった』
「あい!」ビシッ
しっかり敬礼してお約束です。
サーヤはギン様に抱きついてるから大丈夫!もふもふもふもふ~ふへへへ。
『ハクはワシを頭に乗せてくれるかのぉ。シールドの張り方を教えてやりたいが、まだ魔力操作の練習を始めたばかりなのじゃろぉ? 』
『うん!さっき初めて教えてもらったんだ~』
ハクが元気に答えると
『そうかそうか。今回はワシがシールドを張るからのぉ。感覚を覚えておくと良いぞ。今回に限らず他者の魔法を見、感じることは勉強になるでのぉ。サーヤもじゃよ』
亀じぃが優しく教えてくれます。
『は~い!』
「あ~い!」
分かりました!
『ほっほ。良い子じゃのぉ。では行くぞ。水の妖精たちよ、サーヤとハクを助けてくれるかのぉ』
『もちろん!』
『いいよ!』
『じゃあ』
『二人ずつね!』
妖精さんたちも元気にお返事してサーヤたちの肩の上に!
『よろしくね~』
「わーい!ようしぇいしゃんいっちょにぇ~」
ハクと一緒によろしくお願いしますします。
『よろしくね~』
『うん!』
『一緒だよ~』
『まかせて~』
頼もしいです!
『さあ、今度こそ行くかのぉ』
『「お~!」』
『『『『お~!』』』』
頑張るぞ~!
『ふふっ』
ギン様が賑やかだなと笑ってます。
いよいよ中に入ると、そこは思っていたよりずっと明るい所でした。洞窟というよりは鍾乳洞みたい?大きな乳白色の氷柱のような石がいくつも天井から突き出てます。
「しゅご~い きりぇ~」
『すごいね~ きらきらしてるね~』
まわり中キラキラです!
『上にばかりに気を取られると足を取られるからのぉ』
亀じぃがそう言った途端に、がらっと音を立ててハクがバランスを崩しました。
『わっ』
「はく、だいじぶ~?」
『『『『大丈夫?』』』』
ケガないかな?亀じぃは、ちゃんと乗ってた!
『ほら言うただろにぃ』
『ハク、気をつけなさい』
ハクが亀じぃとギン様にメッされちゃいました。
『大丈夫~。ごめんなさい。気をつけるね~』
ハクがごめんなさいしてます。
『そうだのぉ。気ぃつけるのじゃぞぉ』
『ハク、お前が転んだら亀じぃも怪我してしまうからな』
『はーい。そうだよね。亀じぃ、ごめんなさい』
ハクは更に亀じぃに怪我させちゃうかもと反省してもう一度ごめんなさいしてます。
『うんうん。ハクは素直な良い子じゃのぉ。童子の頃の主に見せてやりたいものだのぉ、のぉ?ギンよ』
『うるさいぞ亀じぃ』
ギン様が亀じぃに遊ばれてます。
そこからは妖精さんたちも
『サーヤ』
『ちょっと頭低くしよう~』
「あい」
とか、
『ハク』
『そこグラグラしてるよ~』
『うん。ありがとう~』
とか教えてくれました。サーヤとハクも言われた通りに気をつけます。サーヤたちが怪我したら、みんなにもご迷惑かくちゃうもんね。そうしてしばらくすると
『そろそろじゃのぉ』
『きっと』
『おどろくよ~』
『楽しみにして~』
『うふふ~♪』
と、亀じぃと妖精さんたちが教えてくれた、その時
パーッと開けた場所に出ました。そして、そこにあったのは
『え~?』
「ふぇ~?」
『これは、木?』
お水の中なのに、青々と葉を茂らせた木が!しかも
『え~?どうなってるの?』
「ふぁ~ おっきいにぇ~」
『亀じぃ これは一体?』
とにかく、すっごく大きな木です!びっくりです!
『不思議じゃろ~?』
『『『『不思議でしょ~?』』』』
亀じぃも妖精さんたちも、なんだか自慢げです!
「ふちぎ~ どちて~?」
『亀じぃ~ここお水もキラキラだね~?』
『あそこから日が差しているのか?だが地上からはこんな所見えなかったと思うが』
ギン様がとっても不思議がってます。自分の森の下がこんなになってたらビックリだよね。
『そう、上から見たら岩の切れ目くらいにしか見えないはずじゃ。そしてな、この木は精霊樹の分体と言われておるのじゃ』
え?
『『「えええぇ~~!?」』』
精霊樹って、あの精霊樹~?
どうなってるの?