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翌日、マグナから聞いていた集合場所である時計台前へ2人で来ていたユキハとトウヤは緊張で立ち尽くしていた。
他の1年生たちは既に各々の先輩たちによばれ、打ち合わせ場所から去っているからということもあるが、どんな先輩たちと組むのか…ということに緊張が隠しきれない。
「なぁ、ユキハ。先輩たちから何か聞いてねぇ?」
「あ、昨夜ゼロ先輩から連絡が来てたよ。えっと…」
『夜分にすまん。一緒に組む2年生を教えておくからトウヤにも伝えていてくれ。
魔法学院マトリア校 格闘科2年 特待生 モノ=ステラント
魔法学院マトリア校 銃火器科2年 特待生 カレン=ランフィート
魔法学院マトリア校 刀剣科2年 特待生 アリス=ライバント
だ。カレンとアリスは面倒見がいいし、女性だから安心しろ』
と書かれたメッセージをトウヤに見せた。
「男の人ばっかだったらどうしよう…って思ってたから安心したよぉ…」
「み、みんな特待生なんだな…」
「そうだよー」
2人が編成について話していると、後ろからニカッと笑顔が印象的な女性と、お淑やかにペコリと頭を下げる女性がいた。
「遅くなってしまい申し訳ございません。刀剣科2年のアリス=ライバントと申します。」
「あ、私は銃火器科2年のカレン=ランフィート。よろしくね。
基本的にパーティメンバーはランダムで組んでいいんだけど、力の差がありすぎると、ケガやオーバーワークの元だから、特待生は自然と特待生同士で組むのが通例なんだよ」
「なるほど…それにしても先輩方少し遅いですね」
そんなユキハの素直な言葉にカレンはケラケラと笑う。
「あの3人は基本時間通りに来ないよ。ま、今日がクエスト日なわけじゃないし、まったり待とうよ」
4人が学院生活について談笑していると、『わりぃわりぃ』という声とともに、マグナ・ゼロ・モノは姿を現した。
『初めての顔合わせなのにしっかりしてよ』と半分呆れているカレンをマグナは制し、ゼロはユキハとトウヤに視線を向ける。