虚無感
25回目の冬を迎えた。
僕は高校を卒業すると同時に都会へ引っ越した。
親元を離れ、都会で会社員として働いている。
ワンルームの賃貸マンションに7年も住み、朝仕事へ行き、夜遅くに帰り、次の日もその次の日も同じことの繰り返し。
給料は良くないが、食べるため、生きるために働いている。
毎日思うことがある。働いて働いてその先はどうなるのだろうか、いつか死ぬのならいつだっていいはずなのに、なぜ生きるために働いているのだろうか。
何の目的もなく、いつ死んだって構わないそう思うくらい心も体もボロボロになっていた。
僕の名は赤神 純。
昔はこの名に相応しいくらい明るく毎日ニコニコしていたはずなのに今は笑わなくなった歩く時は下を向き、会社でも暗いやつと言われることもある。
昔はこの名前も好きだったが今は嫌いになった。
僕はいつそっちへ行けるのだろう、僕は死にたくてもうまく死ぬことができない。
昔好きだった女の子のことを思い出して毎回踏み止まるからだ。
毎日家へ帰っては彼女を思い出し涙が溢れてくる。
もう二度と会うことも話すこともできない彼女を思い出しては泣き、会いたい、会いたいと口ずさんでいる。
僕の心にぽっかり空いた穴を塞ぐのはもう何もないのかもしれない