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0話 強盗に撃たれた不運な俺

「ん? 寝落ちしたのか」

そう1人しかいない部屋で言葉をはなったのは、俺、佐藤裕、18歳
昨日FPSゲームを徹夜でやっていたら、そのままベッドではなく机で寝てしまった。


時計をそっと見る。
「もう8時なのか。学生は大変だな」
と言いながら俺はまだ現役高校生である。

学校をさぼっている理由は学校でイジメを受けているわけでもなく
「ゲームをしたい」というしっかりとした理由で学校をさぼっている。

しかし、小さい頃に両親を事故で亡くしており、今は母方の祖母の家で暮らしているため、
特に「学校に行け」とかは言われなかった。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★


今日は今日発売の最新のFPSゲームを買いに行くための金を銀行におろしに行く。
俺たちのような学校をさぼってまでゲームをしているような連中を「ネトゲ廃人」だとか「ソシャゲ廃人」だとか世の中一般では言われているが俺たちは廃人ではない。

それこそ仕事をしている連中も、「仕事廃人」だと思うのだが。
という意味もないことを考えているうちに銀行についた。
「なんか面白いこと起きないかな~」

そう、俺が引きこもりになった本当の理由は学校が退屈だったからだ。

勉強や恋、スポーツなどの一般的な学生は「青春」というが俺はそれが退屈でしょうがなかった。 スポーツをして何になる? 勉強は必要かもしれないが、いい学校に入ったところで何になる? 恋に落ちて、青春をしたところで何になる? 
勉強、恋愛、スポーツ、すべてがつまらないと思ってしまって、俺は不登校になった。
ただ、ゲームだけは違った。

ゲームは楽しい。 すべてがつまらないと思ったがそんなことはなかった。

見知らぬ人とインターネット経由で、マッチする。
自分の見たことのない世界で戦ったり、レベルを上げたりする。

それが楽しくてたまらなかった。

おっと、少し語りすぎてしまった。

そんなことを考えていたら、待ち番号を渡された。


十分くらい待っていると
「キャァァーー!」
と窓口のほうから悲鳴が聞こえた。
何事だと窓口を見に行くと、FPSで見たことがあるピストルの銃をもった男がいた。
すると男は
「このバッグの中に今ある金をすべて入れろ!通報した奴は殺す!」
「「「うわぁぁぁぁぁぁ」」」と叫び声を発しながら客は全員逃げた。

ただ俺は逃げそびれた。

男は俺に銃を構える。


バンッ。

そう鈍い音がなると俺は撃たれていた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!」

は? 

なんだこれ痛すぎる。

俺はこんなことで死ぬのか?
なんで俺が死ななきゃならないんだ。

あれっ?
この顔テレビで見たことある。

昨日やってた情報番組で刑務所から脱獄したとか、言ってたな。

なんで警察はこんなやつを逃がしたんだ。

ははっ。

俺は肝心なところでいつも運が悪い。

そういえば昨日は駄菓子屋に行って、ガリカリ君のあたりを当てたっけ。

でも今は強盗に撃たれて、死にかけている。

両親が事故にあった時も駄菓子屋でガリカリ君のあたりを当てたな。

ゲームを買うための金を下ろしに来たのに、こんなことで死んでしまったら本末転倒じゃないか

・・・本末転倒ってこの使い方であってる?

あれっ、意識が

いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ!

俺はまだ死にたくない。

くそっ!

神様は何やってるんだよ!

俺はもう死んじゃうのに。

ふっ。

「大丈夫ですか?!」

誰だ。この人。

まだ俺には心配してくれる人がいたんだな。

でも、もう駄目だ。

「っっありがとう・・・」

「佐藤さん?! 佐藤さん?!」

佐藤裕。18歳。

「ありがとう。」
という言葉を残してこの世を去った・・・

しかし、彼はまだ気づいていなかった。

これから、予想もしない展開が待っていることを・・・

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