86 あのお布団は?
できる母親、クモのお母さんのおかげで無事に救出されましたサーヤです。
「ふい~」
『きゅるる』
大丈夫?と言われてる気がします。
「だいじぶ。あいがちょ」にぱっ
『きゅるる』
良かったと言われてる気がします。
そして、もう一人のできる女、はちの女王様は、疲れたでしょ?って、ハチミツレモン水を持ってきてくれました。しかも今日はちょっぴりプロポリス入り特別バージョンだそうです。でもサーヤはまだまだ小さいから本当に本当にちょっぴりね。というのが何故か伝わってきました。
「ふい~。おいち。あいがちょ」
そして、サーヤのお部屋なのに、今ちびっこ同盟たちはというと
『うううっ』
ぴゅいきゅい『『ぐすっ』』
『『しくしく』』
『『『ぐすんっ』』』
保護者総出でお説教されています。ちょっとかわいそうです。
でも、みんなにはごめんなさいだけど、毎朝金縛りは勘弁して頂きたいです。今夜はどうするのかな?今からちょとドキドキです。
『ハイハイ。そのくらいにしないと、サーヤが朝ごはん食べ損なっちゃうわよぉ』
かなり長くなったお説教に、半べそ状態のちびっこたちを見かねたのか、精霊樹の精様が助け舟を出してくれました。
〖確かにそうね。この辺にしときましょう〗
『そうですね』
やっとお説教おしまい。良かったね~って言おうと思ったら
『ハク、まずはサーヤにどうするんだ?』
『ぐすっ。サーヤ、ごめんなさぁい』
まだ終わってませんでした。
『ほら、モモ、スイ、サーヤに謝りなさい。他の子らもだぞ』
ぴゅ『ぐす』
きゅ『あい』
きゅぴゅ『『サーヤ』』
『『『『『『『ごめんなさい』』』』』』』
みんな謝ってくれました。
「だいじぶ~。でみょ、きょうかりゃ、どうちよ?いっちょ ねんねちたいにょにぇ?」
でも、金縛りは困るの~
『『『『『『『う~ん』』』』』』』
みんなで、う~んです。
『はいはい。それも後にしましょ。先にご飯食べないとねぇ』
「あ~い」
精霊樹の精様の言う通りだね~。
『じゃ、お着替えしましょう』
「あい」
フゥがお着替え持ってスタンバイです。お仕事早いです。
あれ?そうだ
「じーにしゃま、じーにしゃま」
〖なぁに?〗
聞きたいことがあったのです。
「あにょにぇ、こにょ ぱじゃま、おばあちゃんのにおいしゅる。どちて?」
どうしておばあちゃんいないのに、おばあちゃんの匂いがするのかな?
〖おばあちゃんの匂い…やっぱり分かるのね。そうよ。それはサーヤのおばあちゃんが作ってくれていたものなの〗
「しょうにゃにょ?うれちい~だいじ、きりゅね」
おばあちゃんのパジャマ~。くまさんもいるし嬉しいな~♪
〖そうね。そうしてね〗
「あい!」えへへ~
サーヤはえへへーと嬉しそうに笑って、それ以上のことを聞いてこなかった。そのことに、みんなほっとしていた。
『じゃあ、お着替えしましょうね』
「あい!」
フゥに手伝ってもらってお着替えしました。お顔もあらって、さあ!みんなでご飯です!
木の実と果物と、パン(もうめんどくさいからパンです!)と、ハチミツ!
水分もちゃ~んととります!お水もとってもおいしい!
そういえば、飲める温泉、あるのかな?おばあちゃん、体にいいのよって、言ってたけど、あれはおいしいの飲んだことないです。飲むと、んべ~ってなって、おばあちゃんがくすくす笑います。
ひゅお~
ん?またなんか寒い?
『しかし、どうするか?毎朝あれだと大変だぞ?』
アルコン様が今朝の話を持ち出します。
『そうですね。いっそ部屋を別にしますか?』
ギン様がちびっこたちをチラッと見ながら言うと
ぴゅー『やー!』
きゅー『いっしょ!』
『いっしょがいいよ~』
ちびっこたちから大ブーイングが!
『しかし、サーヤがつぶれるぞ?』
アルコン様がわざとらしく眉毛をぴくっと上げながら言うと
『う~ごめんなさいぃ』
ハクが朝の状態を思い出したのか、謝ってます。
「おへやいっちょ おふちょん、べちゅ?」
サーヤが同じ部屋でベッドを別にしたらと言うと、ちびっこたちはガーン!とショックを受けた顔をしていたけど、大人たちは
〖そうね、それが一番いいかしらね?〗
『そうだな。一番現実的だろうな』
大賛成のようです。
『少なくとも、ハクはベッドの下に決定だな』
『う~ わかったよ~』
アハハハとみんなで笑ってます。
『そういえばぁ、サーヤのお布団、すごいふかふかよねぇ?あれどうしたのぉ~?』
精霊樹の精様が弾力も触り心地も良かったのよ~って言うと、みんなの視線が魔神様に
〖あ~あれね~?〗
目を逸らしている。怪しい…
じーぃっとみんなで見ていると、
〖あ~ん、そんな観ないでぇ〗
耐えきれなくなったのか、頭を掻きながら、ついに
〖あれね~実は、主神の宮のね、客室からちょっ~と、拝借しちゃったのよね~〗
とんでもないことを白状した。
「ふぇ!?」
『『『『は!?』』』』
『あらぁ やっぱり凄いものだったのねぇ』
みんなびっくり!精霊樹の精様だけが、のほほん。
た、たいへん!ドロボウ?あわわわわ
「か、かえしゅ?」
〖大丈夫よぉ 今頃主神が何とかしてるわよ~、きっと。…たぶん?〗
そ、そんな?たぶんってなんですか?たぶんって…
その頃、天界では
『主神様!』
〖どうしたの~?何かあった?〗
『どうしたの~?ではありません!!客室のベッドが一つ綺麗になくなっております!お心当たりおありですね!?』
と、主神様が問い詰められていた。しかも疑問形のようで断定されている。
〖え~知らな…あっ〗
『やはり、おありなのですね?』ひゅお~
〖ま、待って!魔神ちゃん!魔神ちゃんだよ!きっと!〗
『魔神様が?あぁ、そういう事ですか…』
〖わ、分かってくれた?〗
ほっとする主神様。だけど…
『愛し子様のためでしたら、言ってくださればよろしいのに。他にも何か必要な物はございませんか?きっと貴方様のことです。ろくに準備もしていなかったのでしょう…』
この方はそんなに甘くはない。さあ、吐けと言わんばかりの目である。
〖え、そんな…〗
『主神様、さあ…(吐きなさい)』
〖は、はい…〗
主神様はピンチに陥っていた…
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。