だってお義姉様が
ある日の事、
「◯◯ーーーーー?」
はい、◯◯は
「「「!?」」」
「ーーーーー!」
まぁ、遠い王都からわざわざ?あいにく彼女は
王都の屋敷に居るのではなくて?
「ーーーーー!」
「ーーーーー?」
「ーーーーー?」
亡くなったお母様の療養の為に共に
「ーーーーー?」
いえ、お父様からは『再婚する事になって
まぁ、一歳違いと言いましても実際には、数ヶ月しか誕生日は違わないのですけどね。
お母様がご存命中に、お父様が外で作った子ですし……
「ーーーーー。」
「ーーーーー?」
そういえばお父様もお母様が亡くなられて以来、
あちらの皆様、お元気でしょうか?
あら?どうなされましたの?
皆様そんな真っ青な顔をされて?
旅の疲れがお出になったのかしら?
宜しかったら、家で暫くお休みされて行かれては?
あいにくと婆やが亡くなってからは一人暮らしで、たいしたおもてなしも出来ませんけど……
あらまぁ、よけいに顔色が悪くなってしまいましたけど、大丈夫ですか?
「ーーーーー。」
えっ?町に宿を取っているから、そちらにお戻りに?
お気をつけてお帰りくださいませね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから暫くして、王都からこの前いらした
手紙を持って来られたのは、あの時一緒にいらしていた王太子殿下の護衛騎士の方達です。
まぁ、あの方宰相様の御子息でしたのね。
『先日はたいへん失礼致しました。貴女様にお会い出来ていなかったら、我々はとんでもない間違いを犯すところでした。
貴女様の【義妹】は、王都の学院で一度も会った事の無い貴女様を悪役にして皆の同情を買い。
王太子殿下を含めた我々側近に近付き、婚約者との関係を壊して国家転覆を図ろうとした罪で【平民】として【最果ての修道院】に送られる事になりました。』
あら、たいへん!【最果ての修道院】といえば、『そこに入ったら生きて帰る事が出来ない。』と有名な世界一厳しい修道院ではありませんか!
そんな所に送られるなんて、
『貴女様のお父上◯◯伯爵ですが、入婿で貴女様の義妹には爵位継承権がありませんでした。そして伯爵はこの十年間、一度も領地に戻らず領地経営も全て代官に任せきり。
その代官も伯爵のチェックが甘い事を知っていて、数々の横領を働いていた事が発覚し、王都で裁判に掛けられる事になりました。
その調査中、貴女様に渡されるはずの予算も横領していた事が発覚したのです。
つきましては、裁判と正当な伯爵家の後継者としての手続きもございますので、一度王都においでください。』
まぁ、どうしましょう?
「ーーーーー。」
えっ?『
お金が無かったので、お母様の古いドレスに
そう言えば、代官の娘は『王都のドレス屋で作って貰った』という、水色の凄く高そうなドレスを着ていましたわ。
彼女にはまったく似合っていませんでしたけど……
「ーーーーー!」
えっ?あのドレス、本当は
道理でサイズは合っていた様ですが、彼女の茶色の髪には合っていませんでしたのね?
アレは、横領した物でしたのね。
あら?では
伯爵家の血を引いていなかったから、銀髪では無かったのではなくて?
「ーーーーー。」
まぁ!?本当は焦茶色の髪でしたの?それを三歳からずっと染めていたのですか?
それでは随分と髪が傷んでたいへんですわね。
「ーーーーー!」
えーーー!?髪を傷め過ぎて最近は髪が薄くなってしまい、学院に入学してからずっと
十五歳の女性が【若ハゲ】……
それはまぁ、ご愁傷様です。
ところでどうやって王都に行ったらよいのでしょうか?
それに王都に行っても、何処に泊まればよいのかしら?
王都の屋敷には、まだ義母が居りますし……
「ーーーーー。」
あら?お手紙を届けてくださった貴方方が王都まで、連れて行ってくださるの?
王都での宿泊場所は、宰相様が提供してくださる?
まぁ、本当に至れり尽くせりですわね♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
残念ながらこの時、
王都での裁判の間は、宰相様のお屋敷に泊めて頂き、奥様や御子息様にもたいへん良くして頂きました。
御子息の婚約者の方も、時々様子を見に来てくださりましたわ。
最初は警戒されておられましたが、そのうち王都で流行りのいろいろな場所にも案内して頂き、領地に帰った今でも文通をさせて頂いております。
裁判もスムーズに進みその結果、お父様が【代理】で持っていた伯爵位の速やかな譲渡。
今まで横領していた権利や財産の弁償としてお父様と義母は、全財産没収の上、足りない分は犯罪奴隷として炭鉱で強制労働をして返して頂く事になりました。
『今まで贅沢三昧をしていた付けがまわったのだ。
いつまで持つか見ものだな!』
と宰相様がおっしゃっておりましたが、
それから
『なんで私が、犯罪奴隷にならなきゃいけないのよ!
あのドレスがあの見窄らしい女のだって知らなかったんだから、仕方ないでしょ!!』
と、代官の娘が衛士から奴隷商に渡される際に叫んでいたそうですが、
王都からの荷物にハッキリ
何故、
ですから本当は
馬鹿な
そ、それにしても
アレは【若ハゲ】というより【ハゲ散らかした頭】ですわね!!
その姿は裁判を見ていた貴族だけでなく大々的に新聞にも写真が載り、全世界の人々の目に晒される事になりました。
ある意味、【最果ての修道院】に行く事になって良かったですわね。
今でも思い出すと、笑い過ぎてお腹が痛くなりますの!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、事件の顛末はこんな物ですわ。
コレでご納得頂いたかしら?
ですから
あら?貴方と長々とお話ししていたら、ちょうど旦那様が王都から帰っていらっしゃいましたわ。
「ーーーーー!」
まぁ、もうお帰りになるの?
もう少しゆっくりして行かれたら良いのに……
「ーーーーー!」
そう…どうしてもお帰りになるの?
では、気をつけてお帰りになってくださいね。
出来れば旦那様に見つからないうちに!!
それにしても、【最果ての修道院】に行った
もし修道院に行く前に身篭っていたとしても、あそこからは、絶対に【生きて】出る事は出来ないのですから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※1
【成人の儀】
十五歳の時に行われる成人式の様な行事。