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第10話 目覚めてみると? (4)

 多、多分? 魔王城の中にある一室なのではないか? と、思われる部屋の一室で横たわっている筈の私なのだが。己の身体の自由が効く。効くのだよ。

 ほら~? こんな感じで、手足も『バタバタ』、『ドンドン』と。魔王に束縛をされている訳でもなく自由に動くだろう。

 だから『ホッ』として、安堵。己の胸を撫でおろす。おろすのだよ。

「あああ~。よかった。よかった……」と。

 己の口から声が自然と漏れるくらい。

 と、なれば?


 私は自由だ! 自由なのだから、この場──。

 先ずは? 魔王城のこの一室から慌てて退室──。

 一応は己の身を伏せ、隠れ、隠れしながら。嬢撫で騒ぎを起こさぬよう静かに、魔王城から撤退──。

 私が総指揮官として引き連れてきた軍、部下達と合流──。

 再度策を練り、魔王城と魔王攻略を検挙、検討をし、態勢を整えて、魔王城、魔王攻略をしようと思う。思うから。

 私はゆるりと己、自身の身体を起こす。起こすのだよ。ゆるりとね……。



 と、同時に?


「えっ⁉ えぇ、えええ~。ウソ~⁉」

 と、絶叫、驚嘆を漏らして、また直ぐに己の口を、自身の両手で塞ぎ、声をださないようにした。勇者の私だったのだ。


 ◇◇◇◇◇

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