第3話 ダークエルフとエルフのシャーマン(6)
ダークエルフの少女の為に自らの意思で死地へと。勇み、急ぎ足で冥府、黄泉平坂へと向かうようにと、己の臣下、下僕達へと下知! 鼓舞をしながら催促を繰り返すのだ。
美しく麗しい自分の為に冥府へと迎えとね。
だからその代わり? ダークエルフの少女『サラ』が、自身の漢戦士達(下僕)へと、「クスクス」と、優艶に微笑を続け、投げかけ、愛してあげるから。己の為に死ね! だから敵の兵達へと勇猛果敢に突撃をせよと繰り返し下知と急かすのだ。
そう、美しく麗しいダークエルフの少女サラは、まるで? この場の殺伐、物々しい雰囲気と様子……。
刹那化している殺伐としたこの状態、光景を歓喜──! 喜び楽しんでいるかのように、死にゆく敵の巨大なミノタウロス達や己の巨大な獣人族や亜人の漢戦士(下僕)達が、次から次へと転がり、屍になろうとも気にもしないのだ。
……どころではない。自身が跨る巨大な獣の乗り物で、屍達を避けることもしないで平然と踏みしめ、潰しながら先へと急ぐのだ。
そう、敵の主、頭目、酋長と呼ばれる者が陣を取る場所へと向けて突撃──。突進──! 生きているミノタウロス達を薙ぎ倒しながら突き進むのだ。