意識してしまう
中学校1年生になったかしわぎみれいは
同じ小学校で一緒だったむろといさむを意識していた
小学校でこの二人は仲良くたまに喧嘩するような間柄だった
中学校に入学すると同じクラスにいさむがいて、なぜだか意識してしまう
いさむの方も同じらしく、授業が終わるとたまに話毛かけ来た
今日も3時間目の授業が終わって休憩の時間になるとなんとなくやって来てみれいに声をかける
(よーみれい、お前この前の数学のテストどうだった)
みれいはいさむに話しかけられると、顔を下に向いて答えた
(あーこの間のテスト、まーまーだね、
あんたはどうだったのよ)
と言う
なぜか心臓がドキドキしながら少し恥ずかしかった
小学生の頃は普通に話せてはいたのだが、中学生になると周りの目を気にしはじめるようになった
いさむと話していると他の生徒がみれいたちを見ていたし、たまに男子と女子がちゃかしてきたからだ
そんなわけでみれいはすごく嬉しかったのだが、あまり長く喋っているのが怖くもなったいた
クラスメートたちとの関係は今のところ良好だが、中には幸せを自分の不幸な事のように考える人もいて、そういう人たちから何かされてはたまらない
実際、ニュースではそのようなことで事件になるケースもあった
みれいは顔を上げていさむを見ると、その後ろにいた生徒数人がなにやらニヤニヤしながら見ていた
不良グループがこのクラスにはあり、
たまにその連中たちがいさむにちょっかいをかけては困らせているのを見たことがある
そんなこともあり、この教室ではあまり仲良くしない方が良いとみれいは思っていた
そもそもみれいはすごく可愛い女の子だった
性格も楽しく、成績もよかった
一方、いさむもけっこうカッコいい男子だが、体つきは少し痩せていて、優しい子だったが、どちらかと言うとそんなに話をする子ではなかった
おとなしい子供であった
いさむは仲間内ではそこそこ話すが、誰かまわず話をするという子ではなかった
ふっと、横を見てみるとたむろって騒いでいる不良グループのメンバーたちがこちらを見てをり、その中の何人かはいさむを嫌な顔で見ていた
みれいはまたか、と思いながらどうしたものかと考えた
このようなケースでいじめが発展されるかも知れない
そんな事を考えているといじめは(ちょとトイレにいってくるわ)と言って笑顔で教室を出た
いさむが教室を出ると不良グループの連中も(行こーぜ)とトイレと言いながら教室を出る
みれいは何か嫌な予感をしながら何も出来ずにいた