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暗影

仄暗い森の中、月の光も届かぬ地にて、複数の影が存在していた。

その影の中心にて佇む、大鎌を持った赤い瞳の影。
あまりに大きく、反り返った刃の大鎌からはボタボタと新しい血が滴っていた。

悲鳴が聞こえる。未だに生きるその命が叫んでいる。友の死に哀しむ者。訪れるであろう死に恐怖する者。そして死にゆく者。

複数の影は冷酷無情に破壊され、草葉の中に倒れていく。辺りに木霊する魂の叫び声と香ばしき絶叫の旋律は、聞くものが聴けば愉悦を感じるのであろう。

赤い瞳は笑う事も、興奮することもない。

闇の中には恐怖が生ける者を蹂躙し、万死が共鳴していた。

闇色の刃が刻むは終末の絶叫と赤銀の痛み、歪の恐怖と零度の絶望。
魂喰らいの大刃は時を刻むよう(クロックワークス)に命を刈り取る。

今、黒い影の周りは朱色の痛みで満たされた。

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