???
「ーー」
「ー!」
何かの声がした。それもたくさん。
その声は近づいてくる。
そうだ、そろそろ起きる時間だ。
「ンミー!」
丸まっていた背中をぐーっと伸ばす。首が痒い。
足を使ってカシカシと痒いところをかくと気持ちよかった。
「……」
地面が見える。足場を使ってピョンピョンと降りていくと、声の持ち主が近づいてきた。
「ユキーおはよー」
「おはよー」
ふよふよと、たくさんの何かが周りに集まってきた。起きたらいつもだ。
お腹が空いた。何かあるかな。
「…ンミ…」
残念、何も無かった。今日は出かけてるのかな。
「あ、ユキのごはん!」
「ごはんー!」
「ユキ、まっててー」
いつくか居なくなった。すぐに戻ってくると、ご飯を出してくれた。
水も綺麗な物に入れ替えてくれる。
「ンミ!」
「おいしー?」
「ミニャー!」
出してくれたご飯は少なくもなく多くもなく、丁度いい。
満足したあと、水も飲んだ。たまにはミルクが欲しいけど、文句は言わない。オヤツにくれる時のが多いし。
「よーし、ユキ、あそぼー」
「!!」
チリチリカサカサと音がした。
獲物が出す音だ。
辺りを見て、どこにいるか見極める。
どこだろう………いた!
「………」
身を潜めて獲物に気付かれないようにする。お母さんにはそう教わった。
そっと近くの物陰に隠れて……近くに来た時に飛び出した!
「きゃーつかまったー」
「ユキはやーい!」
やった、ー発で仕留めた!
逃げられないようにしっかり押さえ込んで、ケリつける!これが楽しい!
「ンミ!」
押さえつける力を緩めたら逃げられた。
もう一度!今度は違う獲物を狙って…
「ン、ミー…」
しばらく狩りしてたら眠くなってきた。
ここは的が居ないからゆっくり寝れて良い。
誰にも盗られない寝床に入ったら、すぐに眠った。
ピクリと、ミミが音を捉えた。
帰ってきたのかな?
ガチャリと音がするので、そこに向かう。
「ただいま、ユキ」
「まー」
大きいのと、最近来るようになった小さいの。
いなくてちょっと寂しかったけど、帰ってきて嬉しい。
「ミャー!」
おかえり、と意味を込めて、擦り寄った。
他の匂いがつかないように……
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ユキ視点。
主人公達が留守にしてる間
きっとこんな日常。だと思う。