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時が止まり、再び動き出す{済}

 現在、涼香(バルロス)の能力により時が止まっていた。

 涼香(バルロス)は、時が戻ってしまう前に要たちを森の外に運んでいる。

 要とクルテルをなんとか運び終え涼香(バルロス)はガディスの前に来ていた。

「ふぅ〜。なんとか2人は運び終えたが。うむ。この男をどうする?」

 “ねぇ。なに悩んでるの?”

「このガディスを助けて良いものかとな」

 “ん〜だけど。この人、私たちを助けてくれたんだよね?”

「うむ、そうなのだがな。ただ何故、我々のあとをつけここに居るのか。それがどうも納得いかないのだ」

 “確かに言われてみればそうだね。ガディスは私を生贄にした国の人だし。んー。ただ、なんで助けてくれたのかな?”

「それなのだ。このガディスに裏があり、近づこうと機会を伺っていた可能性もある。それを考えるとな。このまま助けても良いのかと悩んでおる」

 “そうだね。だけど、この作戦を考えてくれたのも、戦ってくれたのも。このガディスさんなんだよね?”

「ああ。そうなのだが……。うむ。どうしたものか」

 “じゃ、こういうのはどうかな。一応、用心のために縄で縛って助ける。森の外で、なんの目的であとをつけてたのかを聞く。っていうのはどうかな?”

「うむ。その方が良いかもしれんな」

 涼香(バルロス)はバックの中から、涼香がもしもの時にと買っておいた縄を取り出しガディスを縛った。

 “まさか本当に、この縄つかうことになるとはね”

「確かにな」

 涼香(バルロス)はガディスを担ぎ動き出そうとしたその時、時が微かに動き始める。

 それを感じとった涼香(バルロス)は焦り始めた。

「これは急がねばまずい」

 “ん?まさかだけど。時が戻っちゃうってことかな?”

「ああ。そういう事だ!」

 涼香(バルロス)はガディスを担ぎ急ぎ森の方へと駆け出した。

 すると時が、まるで涼香(バルロス)を追いかけるかのように戻っていった。

 時が戻り、ガディスの魔法も動き出した。すると、約2、3キロ四方に至るまで蒼い光線が放たれる。

 そしてネフロス達は、なにも出来ずそのまま凍ってしまった。

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 その頃、涼香(バルロス)はガディスを担ぎ森の外に来ていた。

「ハァハァ、ゼイゼイ。なんとか間に合ったようだな。だが思っていた以上にこの身体は、体力があまりないらしくかなり疲れたのだが」

 “ハハハ……。運動ほとんどしてなかったからね”

「なるほど、それでか。これはかなり鍛えねばならないだろうな」

 “はぁ……。確かにそうだね”

 ガディスは涼香(バルロス)に担がれながら、その会話を不思議に思い聞いていた。

(ん〜1人で話をしている訳じゃないのだろうが。それにしても良く顔が見えん。あと少しで見えそうなんだがなぁ。
 ん?そういえば、なんで縄で縛られてるんだ?)

 ガディスは、縄で縛られ担がれていることを不思議に思った。

 だがそう思いながらもガディスは、涼香の顔が気になり気づかれないように見ようとしている。

 そして涼香(バルロス)は、色々と話しながら要たちがいる場所まで辿りついた。

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