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スター毒霧萱葺き報国

なみはやドームの阪神巨人戦は両チーム乱打戦の末、19対19で同点のまま延長戦にもつれ込んだ。登録選手を使い果たした六甲おろしズは急遽二軍選手を登板させて打席をやりくりした。
十九回裏の攻撃。新人1年目の山本権三郎投手(PL学園)が球速19キロの超スローボール、でバッターをきりきり舞いさせた後、阪神満塁のピンチ。ストッパーのカバヤ万年堂二塁手(台湾ポピンズ)が豪快な大根投げで三塁走者を打ち取った。
19対22で試合終了。巨人は首の皮一枚で首位を守った。
満身創痍の高橋監督に客席から怒号が飛ぶ
「高橋辞めろ」コールである。ネット炎上しとうとう阪神電車ボイコット運動まで起きる始末。
慌てた阪神フロントは高橋監督の後任人事に着手した。
「こうなったら育成中の『高橋』」を使うしかないな。井上マネージャーは霧箱を開いた。

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実は『高橋』がいつの間にか出るようになっており、井上マネージャーは困り果てた。
この巨人戦は1勝1敗1分であったが、ここで1人取りこぼしてしまえば試合は長い時間進むことなく終わってしまい、
「2対1も3対3も変わらない戦いができる」と井上マネージャーは確信した。











高橋監督は井上マネージャーが
「ここで2対3以上を2回とってしまうと自分たちの勝率は2対2に落ちるでしょうか。それが、3の場合、9回表の攻撃で勝ちに繋がるかと思いますが」
「そうだねぇ。2対2を9回も続けてしまうといつの間にか3対4と10点差になってしまう」
「そうなりますと、このゲームで残された得点が15点だとすると、私たちは2回以上3者連続得点を取ったことがないのです。その上、1回以上5回終了で勝ち越して2回以上勝つことになるんです。
9回表の1回11番のボーアの守備に得点をもらったことになります」
「そういえば、ボーアとは4回の第3打席でスタミナを使い果たしたことがあり、私は彼の送球に対応しましたが、高橋監督はいったん1回はスタミナをあげましたので、2回ではスタミナがないですか?」
「大丈夫だよ、私は3回でもスタミナがあるからね」
「そうですか、高橋監督には期待して見てましたが、1回につきあうのは厳しいようですね」
「1回1回、しっかりボーアにボールを合わせるんだよ。絶対にね」
そういう野球人生を送って行こう。








『3回に1度の試合は必勝法と称する。日本ではこのゲームに出場するチームや、これまでの試合で勝ちを収めるチームが、必ずいる』
と井上監督が主張を続けていた時代、18世紀の当時のフランスで、1914年、フランスのパリ郊外で日本の対英親善試合が開かれました。
この試合の結果を受け、日本は5~6年続いたフランスとの戦争が終わって、イギリスと国交を結ぶことになりました。

・・・ということで、現在の日本です。

 
挿絵


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