新たな仲間、そして……
到着を待ちわびていたかのように、街の中はお祭り騒ぎであちこち賑わっていた。
それもそうか、第一陣が壊滅状態にされて、二陣もヘタしたら……だったんだしな。
馬車を降りるやいなや、イーグは待っていた奥さんと子供にもみくちゃにされて、マティエは……というと、やっぱり迎えに来ていたのはルースだった。なんかこっちも親子みたいだな。特に体格差とか。
あの二人、なにも言わずにただただぎゅっと抱きしめあっていた。
無事だったんだ、なにも言葉はいらないんだな、なんて思いながら、俺の方はというと……まだ岩のように重い身体を引きずり、我が家へと向かった。
っていうかラザトもトガリもチビも誰も迎えに来ないのかよ! ふざけやがって!
「ではラッシュさん、私はこれで」と、そういやエッザールともとりあえずここでさよならか。
こいつはどっか帰る所あるんだろうか。
「私は……ちょっとした武者修行の旅を一人でしていたものでして」でもって偶然立ち寄ったここ、リオネングで今回の仕事に手を上げたんだとか。
「エッザール、もしよけりゃ俺のとこに来るか?」
「え……よろしいのですか?」
家とは行ってももとは宿屋みたいなものだし、その気になれば十人以上泊められることだってできるし。
それにこいつと色々話をしてみたくなったんだよな。そう、ワグネルのこととかも。
「感謝しますラッシュさん。私のような人を呼んでいただけて光栄です」
ってなワケでエッザールも俺のとこにしばらく身を寄せることになった。これから毎日が面白くなりそう……
じゃねえええええ! まだマティエのやつとのゴタゴタが済んでなかったんだ!
こんな目に遭わされたんだし、期間延長してもらえないかな……けどどうやって頼もうかな。相手は王子だし。
「ラッシュさん、なんか急に顔色悪くなりましたけど、まだ身体の具合が……?」
こいつにも手伝ってもらおうかな……
………………
………
……
「ルース様、申し訳ありません……多数の同胞を失うことになってしまって」
「マティエ、君が帰ってこれただけでも僕は嬉しいよ、さあ早く傷の手当を」
そう、彼女はまだその身体を休めるわけにはいかなかった。
最後の目的である造反者、シャルゼを追わなくてはいけないことを。
だが……
「ああ、確かにいち早くあいつは帰ってきたよ、自分以外全員人獣に殺されたって報告をしにね」
「やはり……あいつは恐らくドール騎士団長と裏で取引をしていたんでしょう。その見返りが何なのかは分かりませんが」
奴に会ったらどうする? その場で首を切り落とすか、さもなくば王のもとに引きずり出してすべてを証言させるか。
どのみち、奴は裏切り者なのだから。
「その、シャルゼのことなんだが……奴は殺された」
「え……!?」
「いや、罰せられたと言ったほうが正しいのかもな、何を血迷ったのか、奴はその足でエセリア姫のもとへ向かって、彼女を……姫を」
「姫に、一体何を!?」
ルースは深刻な面持ちで、重い口を開いた。
「殺そうとしたんだ……」