15
「……ついて来い。いいところを教えてやる」
「えっ?いいところ……?」
私が聞き返すが煌君は、気にすることなく歩き出してしまった。あ、待ってよ~!!
私は、慌ててランドセルを背負い帽子を被ると煌君の後を追いかけた。
しばらく歩いていると小さな細道に来た。
するとそこを通り抜け、さらに歩いて行く。
そうしたら、しばらくして……あれ?私の住んでいる山道のところにたどり着いてしまった。
そのまま歩いてついて行く。
そして見覚えのある洞穴にたどり着いた。
あ、小さなオオカミを隠した洞穴だ!!
あの日以来、訪れていないが確かにあの洞穴だった。
すると煌君は、目をつぶり呪文を唱える。
そうすると穴の部分が歪み出した。えっ……えぇっ!?
構わずに煌君は、中に入っていく。
私も慌てて入ると歪みが消えて行く。
すると穴の中に入ると煌君は、近くにあったランタンに火をつけた。
ランタの光で中がよく見えるようになる。
そうすると中には、いろんなモノが置いてあった。
これは……!?
「俺専用の秘密基地だ。
丁度いい洞穴があったしこの辺は、妖精族が管理しているから獣族は、下手に出入りが出来ない。
気休めぐらいだが、結界も張ったから外には、ただの洞窟しか見えない。
妖精や獣にも簡単には見つからないだろう」
「秘密基地!?で、でもどうしてココに?」
「……言っただろう?いい隠れ家だからだ。
たまたま見つけた……」
そのたまたまにしても意外だ!
まさか、小さなオオカミを見つけた時の洞窟を秘密基地にしていたなんて……。
私は、驚くが何だかワクワクしていた。
「すごーい!!秘密基地って、なんかいいね」
私は、キャッキャッと喜びながら、洞窟の中を駆け寄った。
あ、ちゃんと生活出来るようになっている。
眠れるように毛布やキャンプみたいな道具も設備していた。
秘密基地ってよりキャンプの気分を味わえそうだ。
「あれ?でも、どうして私に教えてくれたの?」