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「あぁ、それはシンの能力が必要だからですよ!
彼の能力は“記憶力”です。
シンの頭には、図書館のような膨大の知識が詰まっています。
なので調べものや過去の資料が必要な会議をする時に呼ばれたりするんですよ!」
なるほど……だから呼ばれるのね。
図書館みたいな膨大の記憶力って凄い。
普段は、不真面目だが本当は、エリートなのだろう。
だとしたら人は、見かけによらないわよね。
そういえば普段も暇な時に読書をしていたっけ。
もともと本好きなのか……しら……。
話を聞きながら考えていたら、いつの間にか眠ってしまった。
たくさん遊んだから疲れたのかもしれない。
気づくと屋敷の布団の中で眠りついていた。
目を覚ますと誰も居ない。何処に行ったのかしら?
私は、ぐるりと寝返りを打つ。
そしてハイハイしながら廊下まで出た。
障子の戸は、自分でも開けられる。
周りをキョロキョロしていると縁側の窓が少し開いていた。
すると空から小さな物体が飛んできた。
見るとシンだった。
「あ……チン」
私が言うとその少し開いている窓から入ってきた。
どうやら会議が終わり帰ってきたようだ。
「ただいま~カレン。あれ?ルイは?」
私は、横に首を振るう。知らないと……。
するとシンは、ポンッと音と共に大きくなった。
小さなシンも可愛くていいが、やっぱり私は、大きい方のシンがいいと思った。
何故なら抱っこしてもらえるからだ。
私は、手を伸ばすと抱っこしてくれた。
乱暴な抱き方ではあるが、落とさないようにしっかりと抱えてくれるしあたたかい。
「かいた……あうた?」
「えっ?何が言いたいんだ?」
うーん。“会議終わった?”と聞きたかったのだが、上手く言葉に出来ない。
ルイが通訳してくれないと会話にならない。
困っているとバタバタとルイが小走りで戻ってきた。
「おや、シン。戻っていたのですね?
お帰りなさいと……すみません。
ちょっと手を離していました」
「ただいま……というか何処行っていたんだよ?」