06
「あの三つ子は、左からミー、スー、ユーと言います。
この屋敷の使用人もしている準妖精達ですよ」
ルイが詳しく説明してくれた。
あ、だから身体が小さいのか。しかし使用人なんだ?
準妖精達は、身分が低いと使用人にもなるの?
「その人にも寄りますね。あの三つ子は、世話焼きで
よく働くのでキョウ様が役割を当てただけですし。
他の者もその能力に寄って役割を当てられます。
私は、あなたのお世話係になったように……」
なるほど……あ、いや、すみません。お世話かけます。
自分のお世話係にされて迷惑かもしれないと思うと申し訳ない気持ちになった。
事実死ぬ前は、母にも散々苦労させてしまった。
家事の間に私のお見舞いと世話。
付き添いで泊まってもらう事も何度もあった。
疲れきった母を見るたびに申し訳ない気持ちになる。
私がもっと元気だったら、病気なんてしなかったら……。
あんな悲しませずに済んだのに。
そう考えると今も胸が苦しくなってくる。
するとルイは、座ると私を抱き上げた。
そして私を見ると優しく微笑んでくれた。
「心配いりませんよ。私は、光栄に思ってます。
こんな愛らしいあなたのお世話をすることになったのですから。名前は……カレンにしましょう。
あなたの前世の名前ですよね?」
は、はい。そうです……。
自分の前世の名前を呼んでくれて胸がドキッと高鳴った。
恥ずかしくしも嬉しいと思った。
すると三つ子が戻ってきた。凄い勢いで。
ルイは、三つ子から哺乳瓶を受け取ると私に飲ませてくれた。終わるとゲップも……。
よしよしと背中をポンポンと叩かれると眠くなる。
ウトウトしながら眠りについた。
しばらくすると誰かの声が聞こえてきた。
ムニッと頬を突っつかれる。ちょっと……何?
その感触で目が覚めてしまった。
「へぇ~お前が赤子の世話?
まぁ確かに向いているかもしれないな。
お前、普段から真面目で面倒見がいいもんなぁ……」
「シン。あまりカレンを突っつかないで下さい。
目を覚ましてしまいますから」
「へぇ~カレンと言うのか?」
まだ私の頬を突っついてくる。
ちょっと鬱陶しいと思ってしまった。
私は、嫌がりながら目を覚ました。
するとその人物に衝撃を受けた……。