03
色白の肌に美しいグレーの目。
鼻筋が通っており、優しげな雰囲気だった。
モデルや芸能人顔負けの整った顔立ちをしている。
そして着物を着ていた。
すると私に気づくその着物の男性。
「おや?起きてしまいましたか?」
ニコッと笑うとよしよしと私をあやし出した。
あれ?私の身体が小さくなっている?
手を伸ばそうとしたら小さな紅葉のような手が見えた。
それに、身体も小さくなったような気がする。
何か話そうとしても上手く声にならない。
「うっ……あう……」
赤ちゃんのような変な声が出た。
というより、明らかに私は、赤ちゃんになっていた。
えっ?どうして……?
私は、困惑しているとその男性が驚いた表情をする。
「あなたは、もう言葉が認識出来るのですか?」と……。
それは、どういう意味だろうか?
すると神様がクスッと笑ってきた。
「驚く事でも無かろう?その赤子は、転生者だ。
私が迷い込んだ少女の魂に身体を授けた。
だが記憶は、残っておる。ルイ。
そなたが、育てながら赤子に教えてやるとよい。
この世界のしきたりを……な?」
「はぁ……承知しました」
えっ?何がどう分かったの?
私には、全く理解が出来なかった。
しかし、その男性は、頭を下げると私を抱っこしたまま部屋から出た。何処に連れて行くの?
しばらくすると離れにある屋敷に着いた。
旅館やお屋敷かと思うほど広い。
和風の造りで素敵だ。
すると男性は、部屋に入ると私を敷いてある布団に寝かせてくれた。
そして私を見るなりニコッと微笑んでくれた。
「はじめましてになりますね?私は、ルイ。
あなたのお世話係を任せられた者です。
そしてあなたは……この世界に転生してきたようですね。
あ、そうだ……名前を決めないといけませんね?」
うーんと考え込むルイって人。
えっ?だから転生とか、身体を預けたってどういうこと?
必死に口に出して聞こうとする。
だが、上手く言葉にならないためバタバタと手足を動かすだけになってしまう。
自分の身体なのに自分の身体ではないみたいだ。
するとルイって人は、ニコッと微笑むと私の手を優しく握ってくれた。
「まずは、説明が必要なようですね……」