バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

09


 どうしよう……この日は、念入りにメイクと美容院。
新しい服も新調しなくちゃあ!!
 考えただけでも心臓がドキドキしてしまう。
しかし、日にちを聞いて一瞬固まった。えっ……?

「あの……すみませんが、もう一度。
日にちと時間をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 26日。私と課長との結婚式当日だった。
しかも時間までピッタリと同じだった。
嘘っー!?何でよりにもよってその日にちなのよ!?

「あの、申し訳ありませんが日にちをずらすことは、出来ないのでしょうか?」

 せめて1日だけでも……。

『すみませんが、相田のスケジュールの都合もありまして。
この日にちしか時間が取れないようなんですよ』

 そんな~!?じゃあ、どちらかを諦めないといけないの?
課長との結婚か、相田君との番組か。
 これは、何かの罰なの?
私がイケメンばかり追いかけているから……。

『あの……どうでしようか?』

「も、もう少し考えさせて下さい。
 こちらのスケジュールの予定もありますので。
早めに返事をしますので……」

 必死に頼み返事を待ってもらうことになった。
電話を切る。すると数人のイケメン店員の子達が聞いていたらしい。
 心配そうにこちらに来た。

「菜々子さん。どうして待ってもらうのですか!?」

「そうですよ。せっかくこのお店を取材してもらえるチャンスなのに。
 そうなれば、もっと人気が出ますよ?」

「菜々子さん。たしか相田君のファンでしたよね?」

 そうなのよ……相田君は、大ファンなのよ!
しかもお店の宣伝までしてくれるなんて……夢が願ったり叶ったりだ。

しおり