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あぁ、課長のご両親に会いに行ってドン引きされるなんて……終わっている。
反対されるのが目に見えて落ち込みそうだった。
「お前の信念が……改めてよく分かった」
ちょっと課長まで引かないで下さいよ!?
一応、イケメン好きなの知っているんですから。
えーん、この微妙な空気をどうしてくれるのよ!?
私が必死にフォローしようとした……するとお母様がパアッと表情が明るくなった。
「あらあら。それは、面白い所なのね。
夢があっていいじゃない?ねぇ、あなた」
「まぁ……そうだな」
「イケメンを中心に雇うのね。なら我が家だと……。
ウチの主人かしら?我が家の中で1番のイケメンですもの♡」
ニコニコしながらそう言うお母様だった。はい!?
「こら、子供達の前で止さないか……」
「あら、本当じゃない。我が家だと絶対あなたよ!
菜々子さんもそう思わない?」
「そ、そうですね……アハハッ……」
もう苦笑いするしかなかった。
何で……よりにもよってお父様なの!?
課長のご両親が、とても仲がいい人達だと理解した。
でも……この中のイケメンなら、どう考えても一般的にお兄様だろう。あと裕太君だ。
お父様だと……課長よりも迫力ある怖い顔が邪魔をして客が逃げて行くだろう。
すると照れているのか咳払いをするお父様。
そして私の方を見た。
「とにかく。菜々子さんの仕事の事は、分かりました。
だとすると……結婚後も仕事を続けて行く気か?」
ギロッと睨み付けられるように言われる。
それに肩をビクッとさせて震えた。
それは……私に専業主婦になれと言っているのだろうか?
「それは……」