04
「……下……宮下起きろ!マッサージが終わったぞ!?」
「は、はい!?」
ハッと思い慌てて起き上がった。すると……あれ?
周りに人が居たはずなのにほとんど居なくなっていた。
えっ?もしかしなくても寝てた?私……。
「まったく。人がマッサージをしていると言うのに爆睡している奴があるか!?
終わってほとんどの人は、帰って行ったぞ」
課長は、呆れながらそう言ってきた。
やっぱり寝ていたらしい。
「す、すみません。気持ち良くて寝てしまいました」
これは、さすがに恥ずかしい。
まさかそのまま寝てしまうなんて……。
課長がこんなにもマッサージが上手いとは、思わなかった。
何かよく分からない資格を持っているのだから上手いのは、当たり前なのかもしれないけど……。
「ほら帰るぞ。着替えて支度をしろ」
「は、はい」
慌てて寝台から起き上がると更衣室に向かう。
ドアを閉めるとハァッ…とため息を吐いた。
また、寝顔を見られちゃった。
きっとよだれとか出ていたに違いない。
恥ずかしいと思う反面。あれ?でも、課長だから別にどんな姿でもよくない?
イケメンなら、死ぬほど恥ずかしいけど……。
いやいや、上司にマッサージをやらして寝るのは、さすがに常識はずれよね。うーん。
自分でも何だか分からなくなってくる。
それに何で課長1人にこんなにも動揺しているのかしら?最近の私は、何だか変だ。
自分の事なのに……。
たまに自分の事が分からなくなる時がある。
おかしい…今までは、こんな事はなかったのに。
私は、イケメンが大好きでイケメンを見れば、胸がキュンキュンしていた。
それだけを考えていれば幸せな気分になったのに
今は、課長の事ばかり考えて胸が苦しくなる。
どうして……?悪い物でも食べたのかしら?
その時、真美子と美希の言っていた言葉を思い出した。いやいや、ないから。
課長とどうなろうとか、そんなの一ミリも考えてないから!!