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「いや、ないない。そんなことをする訳ないじゃない!?
相手は、課長なのよ?」

「えー女が弱っている時って最高に口説きやすいのに?
 課長ったら情けない。絶好のチャンスなのに……」

 口説き落とすって……真美子ったら何を考えているのかしら。
 そもそもそれを許されるのは、イケメンだけだ。
他の人がやったらただのセクハラだ。

「まぁまぁ。でも……特別意識とかしなかったの?」

 美希が不思議そうに尋ねてくる。
うっ……それは!?
 課長とあった事を思い出してしまった。
しかも泊まらしてもらったし……。
 やましい事をした訳ではないけど、考えただけで恥ずかしくなってしまう。

「えっ?ちょっと……何その反応!?
顔を真っ赤にして、まさか何かあったの?」

「えぇっ?あんた。まさか……」

「えっ……?あ、ち、違うから。
私達は、そんなやましい関係とかじゃないから」

 私は、慌てて否定をする。
事情を詳しく話すと驚かれてしまう。逆の方向でだが。

「ちょっ何でそんな展開まで行っておいて、キスも関係もないのよ!?」

「真美子。前の事もあるから課長も慎重になるでしょ?」

「えぇっ!?前回の事もあるなら、なおさらチャンスじゃない?この際さぁ~」

「だからよ。課長は、生真面目な性格だから本来なら順番通りに進みたいと思うはずじゃない?
 前回のは、焦り過ぎた結果がアレだし……。
二度も同じ失敗を踏みたくないはずよ」

「あーまぁね」

 ちょっと、2人して何納得しているのよ!?
毎回ながら私だけ、置いてきぼりにしないでよ。
 完全に自分だけ取り残して2人だけで話が盛り上がっていた。


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