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「お前……ボーとして本当に大丈夫か?
 やっぱり無理しているんじゃないのか?
顔色も悪いし……今日は、休んだ方いいぞ」

「だ、大丈夫です!
 ボーしているのは、いつもの事ですから気にしないで下さい」と弁解するが
 「まぁ……確かに」と返された。

ガーン!!課長……そこは、納得しないで下さい。
 ムスッと頬を膨らましていると課長は、クスッと笑うと私の頭をポンポンと撫でてきた。

「まぁ、何事もなくて本当に良かった。
 さっさと元気を出せ。お前に元気が無いのは、調子が狂うからな」

 そう言ってきたのでドキッと心臓が高鳴る。
えっ?それって……課長?
 急にそう言われると心臓の音がうるさい。

「そ、そういえば……あの時。
どうして私があそこに居るって分かったんですか?」

 心臓の音を誤魔化すようにそう尋ねてみる。
その日に会う事なんて課長には、一言も話していなかったのに。
 それなのにわざわざ私を捜して見つけてくれた。
それが不思議でならなかったが課長は……。

「あぁ大林に場所を聞いたんだ。
 お前が安西と親しくなっているから気にかけてほしいと頼まれていたしな」

 課長がさらりと衝撃的な事を話してきた。
大林って……えっ?美希が!?

「美希……大林さんが教えたんですか?
課長に私の居場所を?」

「あぁ、そうだ。いい友人を持っているな。
 そこまでして気にかけてくれているだなんて。
会う事は、前もって聞いていたからな。
 キザな男が食事に選びそうな場所をリストアップして気をつけていた。
 すぐ近く居たから良かったものの……まったく危なっかしい奴だ。お前は……。
 しかも、よりにもよって俺が以前連れて行ったお店とは……偶然なのか、ただの嫌がらせなのか……」

 そう言ってブツブツと文句を言ってきた。
違う……嫌がらせとかではない。誤解しないで!

「ち、違います。たまたまそこを予約していたみたいで……」

「分かっている。
お前が嫌がらせをするタイプではないのは、見ていても分かる」

 キッパリとそう言って否定してくれた。
えっ?その言葉を聞いてドキッと心臓が高鳴る。
 私の事を理解してくれているの……?

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