06
「はい、1人です」
「良かった。こういう場所に参加するのは、初めてで
どうやって声をかけたらいいか迷っていたんです。
あの……良かったらお話しでもしませんか?」
少し照れたように笑うイケメンだった。
「はい。喜んで……」
何あの照れた笑顔は!?
しかも凄くカッコいいだけではなく声も素敵。
えっと……落ち着いて見るのよ!
伸長・90。スタイル・100。ボイス・100。
キャラ・100。そして顔面最高の100。
トータル500点中490点だわ。
嫌だ……今までの最高クラスのイケメンだわ!!
この記録は、俳優の相田君以来?
いやいや歌手のマーシークラスかしら!?
と、とにかく会話をして仲良くならなくては……。
私は、課長の存在を忘れて、そのイケメン様との話に夢中になった。
「えぇ?会社を経営なさっているのですか!?」
「まぁ……と言っても小さな会社なんですけどね。
IT企業なんですが……まだ社員が数十人でして
年収7000万ぐらいで恥ずかしいです」
ね、年収7000万円!?凄いお金持ちじゃない!!
彼は、安西司さんと言うらしい。
名門大学を卒業して大企業に勤めた後にIT企業として会社を成立したらしい。
「凄いですねぇ~」
「いや大した事ないですよ。
この業界なら年収1億とか普通に居ますからね。
それに比べたら俺なんてまだまだ。
宮下さんも喫茶店のオーナーだなんて凄いなぁ」
そう言いながら照れたように笑ってきた。
まぁ、イケメンだけではなくて、なんて謙虚な人なの?しかも口が上手い。
「私なんて、とてもそんな金額稼げません。
これだけ凄いならモテるのではありませんか?」
よくそんな人が婚活なんか参加しているのかしら?
これだけイケメンで頭が良くてお金持ちなら女性なんて選び放題だろうに。