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「す、すみません。もういいです!
よく分かりましたから」

 私は、慌てて止めた。
まだまだ続きそうだったから止めさせる。
 課長……あなた。何を目指しているんですか!?

「もういいのか……?
まだまだ、たくさんあるのだが?」

「いえ……結構です。何となく分かりましたから」

 とにかく、課長の完璧主義者なのがよく分かった。
もう引き過ぎて笑うしかない。
 一体いくつ持っているのかしら?

「たくさん資格をお持ちなんですね?」

「あぁ、半分趣味みたいなもんだ。
 身体を鍛えるのも好きだが、資格とかを修得するのも好きでな。
 とにかく学生の頃から修得出来るものは、全て修得してきた」

「が、学生の頃から!?」

「資格は、いいぞ。新しい知識を得る事も出来るし、何より仕事や日常の役に立つ。
 中途半端な知識などくその役にも立たないからな。
それなのに部下達は……」

 ブツブツと文句を言い始めた。
課長が会社でやたらに私達に厳しいのか、今ようやく分かった。
 その完璧主義者の性格のせいだ!

 とにかく中途半端が嫌いな課長は、その完璧主義のせいもあり、部下達にそれを押し付けているからだ。
 仕事もプライベートも融通が利かない。
仕事でもこの調子なのだ。
 プライベートだと……もっとやりにくいだろう。

それだと嫁の貰い手もありませんよ?
 いや、むしろ奥さんも必要ないかもしれない。
これだけの資格を持っている課長だ。
 全て1人でやって行けるだろう。
下手に結婚でもしたら奥さんに逃げられるだろうな。
 いや、そんな人に奥さんが来るのだろうか?
想像しただけでも考えもつかない。

「ち、ちなみに栄養士だけではなくて、調理師免許もお持ちなんですか?」

課長の事だ。私と同じで持っていたりして……?

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