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不知火君は、張り切るように言ってきた。
張り切っても爽やかオーラが出ていて眩しい。
こ、これよ……イケメンの素質。
やっぱりたまたま同じ苗字だっただけで不知火課長とは、何も関係わね。
しかし、同じ苗字だとしても問題なのは、課長の方だ。どうしよう。
本当に行かないとダメかしら?
行かないと……お母さんも含めてうるさいだろうな。
未だに悩んでいた。サボりたい。
しかし、やはりそうはさせてくれなかった。
夜に母からどうだった?かとしつこく電話があった。
いい人が居ないと言ったら次は、もっとよく捜せと言われてしまった。
これは、行かないとさらにうるさくなるだろう。
結局、仕方がなく婚活パーティー第二弾である料理教室に行くことにした。
そこには、すでに数十人の参加者が居た。
やっぱり課長も来ているのかなぁ……?
キョロキョロと辺りを見渡してみる。すると……。
「宮下。周りをキョロキョロするんじゃない!」
後ろから怒鳴り声が聞こえてきた。
ビクッと肩を震わせて振り返るとやっぱり来ていた。
「お、おはようございます」
「あぁ、おはよう。まったくお前は、相変わらず周りをキョロキョロする癖があるな。気をつけろ」
呆れたように言われてしまった。
これは、課長を捜していたからです!
なんて……怖くて言い返せないけど、そうツッコんだ。
「……すみません」