決断と契約{改済}
バルロスは涼香をみつめていた。
“そうだな。我の力も限界に近い。今からその方法を教える。だがその前に名前を教えて欲しい”
“私は龍崎涼香。それで方法は?”
“方法自体は簡単だ。だが、その後のことは保証できぬがな”
“それは……。でも、その方法しかないのなら、私はそれに賭ける。だからお願い!その方法を教えて”
“うむ。そのまま、その能力を使い。我と契約すれば良い。それだけだが。その後、我はお前と一体化することになる”
バルロスは涼香をみると、
“それにお前がどれだけ耐え切れるかなのだがな”
“ちょっと待って⁉︎私はバルロスを吸収しようとしていて、消滅するかもしれないんだよね?”
涼香は不思議に思い考えている。
“それなのにそのまま能力を使うって……。わけが分からないんだけど?”
“ふむ。説明不足だったようだな。我が涼香と契約を結ぶことにより、お前の身体を完全にとはいかぬが守ることができる”
そう言われ涼香は考えた。しかし選択肢は一つしか無かった。
“そうだね。そうするしかないなら契約します”
“では、我が言う通りに答えよ!”
そう言われ涼香は決心し頷いた。
“我は龍神バルロス。汝、龍崎涼香と契約を結ばんとする者。汝は我と契約を結ぶことを承諾するか?”
“私は龍神バルロスと契約を結ぶことを承諾します”
すると時が戻りバルロスは吸い寄せられ涼香に吸収された。
涼香はバルロスの計り知れない力により、全身に引き裂かれるような痛みが走りもがき苦しみだす。
そして涼香は、なんとか耐えようと必死にもがいている。
だがバルロスの力があまりにも強大すぎたため、涼香は耐え切れなくなった。
すると涼香はバルロスの力を放ってしまい、一瞬で辺りの木々や草花を消しさる。
そして涼香は、苦しみから解放され辺りを見渡してみた。
すると涼香は目を疑った。そう辺り一面、灰と化していたのだ。
「これはいったい。私がやったの?」
“ああ。そうなるな。だが完全とはいかなかったが成功したようだ”
「そうかもしれないけど。……」
すると涼香は自分の姿の変化に気づいた。
「これって⁉︎」
そう、涼香の身体の一部が龍化していたのだ。
顔は左の目から上にかけ上半身は左側ほぼ全体、下半身は左足の上にかけて龍化している。
左腕が肩にかけて龍化していたが、かろうじて両手は龍化していなかった。
自分のその姿をみた涼香は、
「な、なんで私の身体が。こんなになってるのよ!うわぁぁ〜‼︎」
そう言いながら涼香は泣きだした。
“我は、なにも言えぬ。だが、お前と我は消滅せずにすんだ。それだけでも良しとしなければなるまい”
「そんなこと言っても。ヒクッ。こんな姿じゃ。ヒクッ。好きな人に。ヒクッ。告れないじゃないのよぉ〜!うわぁぁぁ〜ん。ヒクッ、グスン……」
そう言い泣いていると、要が涼香をみつけ駆け寄ってきた。