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吸血鬼とOLな娘

仕事を終え 家に帰り 食卓に用意された
ハンバーグと卵焼き サラダと 漬物 日本茶 ご飯を食べ終えて
両親の写真に お茶と水を供えた後で

家のリビング 沙耶(さや)は くつろぎながら 時に猫の妨害 ネコハラ?にあうが
それにも負けずに せっせっとノートパソコンの文字を打っている

・・時代は欧州の近世近く 
郊外の彼の大きな屋敷で リリアンは 戸惑い
恥じらいながら 彼の腕の中で 幸せに酔いしれた
甘い接吻 そっと服を脱がされ コルセットも彼は簡単に外してしまう

「あ、駄目 そんな」「綺麗だよ リリアン」
白い裸身を彼、ジュリアンは その見事に整った身体を褒め
リリアンを抱きかかえ 柔らかなベットに降ろす
契りの儀式が始まろうとした 激しい接吻の嵐に リリアンは・・

「ぜいぜい、この手の小説って あまり書いた事ないのよ」頭を抱えつつ沙耶は一人言
「公募の締め切りまで まだ時間はあるけど」

「うん、いいじゃない そんな感じで」すぐ後ろからの声

「あ・・いたの?」「はい、居ましたよ 沙耶」
一人の青年、まだ少年の幼さを感じさせる美男子 当たり前のように 
パソコンをのぞき込んでした

「明日は何が食べたい 沙耶?」「血の雫たるステーキ!それから・・」
「はいはい、任せてね」

「凛(りん)、吸血鬼って そんなに料理上手なのかしら?」

「・・・人それぞれ、吸血鬼にもよるじゃない?」
すました顔をそんな事を言う
「長くは生きているし 芸も磨けば 年季も入るし」凛(りん)

「凛って 吸血鬼の割に 日光にも 十字架にもニンニクも平気だから
ちょっと変わっているじゃない」「そうかもね ふふ」

「頑張る沙耶に お菓子なども作っています」「本当?」
「何かしら?」「リンゴのコンポート、それからチーズケーキ」

「うふふ すごいわ 凛」「コーヒーそれとも紅茶?」
「今日の気分はコーヒーかしら?」「了解、僕のお姫様」

「あ、メール 仕事の上司からだわ」
「・・・明日の休み 駄目かも」 「・・遊園地のデートは次回かな」
「そうかも」ため息 一つ

「はい、コーヒーとお菓子」「有難う 凛」

「僕のお金、沢山あるから それでも仕事するの 沙耶?」

「・・外国の古い金貨や豪華絢爛な宝飾品、確かに下手すると
数十億円の価値はあると思うけど換金が難しいわ 
それにこんなに沢山なら 大騒ぎになると思うし 税金も怖いわ」

「時々 一枚とか、ちょっとだけ換金したけど・・」
「やはり、暮らしていくにはお金もいるから」

「・・・換金にいい方法を考えるね 沙耶」「さあ、食べて沙耶」

「有難う あ、すごく美味しい!」「沙耶の笑顔が可愛い くすっ」


続く

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