33話〜疾風双剣のルル
そしてサアヤは昨晩、ここで何があったのかを話し始めた。
そしてルルーシアはブラットを見て、
「ブラットさんに確認したい事があるのですが?」
「確認したい事って?」
ルルーシアは持ってきた剣と杖と弓と槍と銃をブラットの目の前に置いた。
「1つは…ブラットさんが持つ力がなんなのかそれを、今から確認したいと思います」
「俺の持っている力……」
「はい、しかしその前に、ブラットさんが今持っている聖剣を見せてもらえますか?」
ブラットは聖剣をルルーシアに見せた。
ルルーシアは、その聖剣を見て考え込んだ。
「何か分かったのか?」
「ん〜、これが本当に、あのガルド様が持っていた聖剣なのですか?どうしたら、色や形がこうも変わるというの?」
「そういえば、ルルーシアさんは、親父の事を知っているみたいだけど?」
そう聞くとルルーシアは、変わりはてた聖剣を見ながら、
「ああ、それはですね、私は昔、ガルド様と少しの間だけ一緒に旅をしていました。聖剣は、その時に見せてもらったのです」
「もしや、スカイネーブルに行った事は?」
「ええ、ありますよ」
「もしや貴方は、疾風双剣のルルではありませんか?」
「へぇ、フェリアさんでしたよね?よく分かりましたね。その通りです」
「疾風双剣のルル。貴方が、なるほど、噂はスカイネーブルで色々と聞いていましたが」
「あっ、えっと……どんな噂だったのでしょうか?あはは……」
「確か、神龍を普通の龍と勘違いして怒らせたって俺は聞いているが」
「私が聞いた話だと……」
そう言おうとしたのをルルーシアは遮り、
「あ、はは……まぁ、その話は後でしませんか、それよりもこの聖剣なのですが、申し訳ありませんがやはり私にも理解が出来ません」
「やはり、ルルーシアさんでも分からなかったか……」
「そうなると、やはり力を直に確認する必要があるようですね」
「あのー、いったい何を今からやるんですか?」
「そうですね。とりあえずは目の前の武器で試そうと思います」
ルルーシアは持って来た剣と杖と銃と槍と弓をブラットをの目の前に並べた。
「じゃ、この中から好きな武器を1つ選んで下さい」
ブラットは銃を手に取った。
「ブラットさんその武器でいいですね?」
「うん、いいけど何をするんですか?」
「それでは、昨晩やったみたいに、その武器に力を注いでみてください」
「えっと、昨晩のようにって言われても、ん〜、出来るのかな?」
そして、ブラットは力を注ぐイメージをつくり銃を力いっぱい握った。