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第23話 甘えんな

スタジオ内での宣戦布告!

勝負は一週間後…負けた方は、番組中継で全国のお茶の間に土下座を晒すという罰が待っている。

収録が終わり、テレビ局を出て、歩く僕と八木教授。

田中「勝負は一週間後ですね…。教授!何か秘策はあるんですか?」

ここまで大見え切ってしまったからには、八木教授に何か秘策があるのではと思っていた僕は教授に笑顔で聞いた。

だけど、八木教授の顔は今まで見た事がないほどの暗く冷たい顔だった。

少しの沈黙の後、八木教授は、口を開いた。

八木教授「秘策なんてない」

田中「え?」

冷酷な一言に僕は固まった。

田中「え?秘策があるからあそこまで強く出たんじゃないんですか!?何か革命的な勝てる勉強法があるから煽ってたんじゃないんですか!?」

八木教授「君はいつまでそんな甘い考えを持ってるんだ。あのクソロン毛とその弟子を舐めるな」

田中「待ってください!僕が負けたらお茶の間で土下座を全国に晒すんですよ!?」

八木教授「一個だけ伝えておく。お茶の間で土下座をしたくないなら、一週間死んだつもりで勉強しろ。俺は、ちょっと用事があるから、テレビ収録の日まで出掛ける」

田中「え、?えーー!?」

八木教授「一週間後の本番の結果を楽しみにしてる。お茶の間で土下座さらして全国の笑い者にならないように死ぬ気で勉強してみろ。それが、秘策だ。」

田中「そんな!?秘策もクソもないじゃないですか!?」

僕の嘆きを気にも止めず、立ち止まってしまった僕に背を向け、教授は立ち去っていった。



それから一週間、本当に教授は、僕の前に姿を見せなかった。

お茶の間に土下座を晒したくない。

その気持ちから、僕は、運命の一週間死ぬ気で勉強した。

人生で一番勉強をした一週間かもしれない。

そして、一週間という期間はあっという間に過ぎ去り、運命の負けられない戦いの日となった。

スタジオには机が並べられており、僕と鈴木は、机に座り、目の前にある白紙の紙を見つめた。

スタジオ内の外野席では、一週間ぶりに姿を見せた八木教授が僕をただ、静かに見つめていた。
同じく、反対側の外野席では、新海教授が弟子の鈴木を見つめる。

司会者「さあ!遂に運命の日が来ました!プライド!絶対に負けられない英語テスト対決!開始だーー!」

司会者の掛け声と共に、僕と鈴木は、白紙の紙をめくり、お互いのプライドをかけた運命のテスト勝負が幕を開けた。

つづく

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